「初めての人生の歩き方。――毎晩彼女と君にラブレターを」第391話：子供は怪我をする。

2021年2月10日 22:46

「特別なことをするために特別なことをするのではない、特別なことをするために普段どおりの当たり前のことをする」イチロー

　娘が怪我して帰ってきた。手のひらと右ひざの絆創膏が痛々しく、笑いながら転んだという娘に強くなったと感慨深く思っていた矢先に、夜、お風呂を入るときに娘がシャワーを浴びて泣き出した。

　どうやら傷口がかなり染みるようで、「もう今日は無理して入らなくていいよ」と髪だけを洗い着替えさせたのだが、ドライヤーをしながら泣く娘を見てまたもや感慨深いものを感じたのだった。

「絆創膏貼るからこっちおいで」

　僕は娘を座らせて、膝に三枚、手のひらに一枚ずつ絆創膏を貼った。娘はゆっくりとその上から傷口を抑えると、嬉しそうに彼女のところに駆け出して「ママ、見て、貼ってもらった」と膝をめくっていた。

「寒いと思うから、コタツに入ってあったまり」

　だから今、娘はコタツで横になっている。明日は祝日だあら仕事はあるけど学校はお休み。今夜は彼女と「バクダッド・カフェ」を見る予定なので、このまま娘も見ないだろうかと思っているのだけど、さすがに遅すぎるので多分無理だろう。

　いつの日か、夜遅くまで起きている娘と一緒に、回顧主義の好きそうな古臭い映画を一緒に見れたらと思う今夜、僕は後で娘にお休みのキスをしに行くつもりだ。

☆

まずは小説を。

そして音楽を。

かつての黒田さんのように、

僕も頑張ります。

必ず叶えます。

心より愛を込めて。

☆

初めての人生、そういえば僕も子供の頃は毎日のように怪我をしていたと思う。

怪我は悪いことかどうか。

意義のある失敗にするのは、

いつだって自分次第だ。

きみは今日、とてもいい経験をしたと思うんだ。

また遊びに行っておいで。

今年も、残り325日。

またね。

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