「初めての人生の歩き方」(有原ときみとぼくの日記)第24房:予感と予兆

 新元号が発表され、街には新一年生と新入社員で溢れている。流れる空気は春を交えて、まだ寒いとはいえ確かに希望が感じられる。
 そんな中、有原くんはずっと寝ていた。
 もう眠たくて眠たくて仕方がない。忙しいのもある。飲み会もアホみたいにあるし、酒もたばこもやっちゃってるし(タバコは再度禁煙)、確実に疲れることをやってはいる。

 それにしても眠り過ぎ。

 春眠暁を覚えないにもほどがある。
 一日十二時間ぐらい眠っているんじゃないだろうか。
 施設にまだ通っているのだが、ほぼ毎日大遅刻。そして開き直り。

「苦手なことは克服しない。これからは苦手はやらない。長所を伸ばす」

 夜は眠くなかったら寝ない。
 朝は起きられないのならそういう仕事を探せばいい。
 出来ることをやる。
 それだけ。

 自分の人生は自分で決める。

 それなのに、施設からはなかなか脱却できない。
 このままではなにも変わらない。
 もう思い切って無理やり辞めてしまうか、それともなにか可能性はあるのかな。


 利益よりワクワク。

 さて、どう動いていこうか。

☆   ☆   ☆

 眠っても眠っても眠たいとき、それは人生の大きな転機が迫っているときらしい。
 スピリチュアル的にはそうらしい。
 人生の大きな転機。

 右か左か、または上か下か。
 どこに進もうがきっと悩むし、きっと苦しむ。
 逆にどこに進もうが楽しいことはあるし、素晴らしい出会いがある。

 初めての人生にマニュアルはない。

支援していただけたら嬉しいです。