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写真エッセイ〜2023年4月〜

写真管理と編集はLightroomを使用している。撮影日ごとにフォルダを作ってくれるから、いつ何処へ行ったか一目で分かるフォルダ名にしている。ところが、今月は3日しか写真を撮っていなかった。散歩は毎週しているが、カメラで撮る機会が減っていたのだ。日々の記録としてカメラで写真を撮っていたはずなのに、なぜカメラを使わなくなったのだろう。結論から書くと、スマホで十分だと思うようになったからだ。これまでと今、そして今後の記録写真について、ボクが今思うことを考えてみようと思う。

「どうして写真を撮るんですか?」

カメラを持っていない人に聞かれる質問のトップ3に入る定番質問の答えとして、「日常を綺麗に残したいからです」という回答は相手にも納得してもらえることが多く、それらしく聞こえるから使うことが多かった。さらに踏み込んだ質問で、「なぜ綺麗に残す必要があるんですか?」と問われれば、「当時を振り返ったときにその情景をより鮮明に思い出したいからです」と答える。すると、「どうして鮮明に思い出したいんですか?」とまた問われる。

相手が納得していないのか、ボクを試そうとしているのか。

「ボクは健忘症と妻に言われるくらい日常の出来事をすぐに忘れてしまいます。だけど、写真を見ればそのときの記憶が蘇ってくるんです。忘れていた会話の内容を思い出すこともあります。喧嘩した記憶なんかも一緒に思い出してしまうこともあるけど、それも含めて忘れたと思っていたことが、実は記憶の奥に消えずに残っていたことに気付けたときは嬉しかったんです。そのとき、キッカケとなる写真は、ガラケー、コンデジ、スマホ、ミラーレス一眼など様々です。機材が違えば、画質にも差が出ます。ボクは機械設計の仕事をしているから、今を生きているならそのとき自分にとってベストな機材を使いたいという思いがあります。だから、今ベストだと思うカメラは、見たままの景色が残せるとボクが判断したカメラです。写真は編集で色を派手にする必要なんてありませんから。記録写真を見返すのは、今の忙しさから解放されたときだと思っています。そのときがいつくるのかは分からないけど、生きていれば30年後くらいだと思います。もう今のことなんてほとんど覚えていないと思います。田舎でホームシアターがある部屋で、紅茶を飲みながら昔を振り返ろうとしたとき、解像度の低いカメラだとスクリーンに映し出しても、老いたボクには認識できない可能性があります。だから、そういう条件でも耐えられるデータを残したい。鮮明に記録された過去は、未来のボクを今に引き戻してくれる。もちろん、未来のボクが過去に興味をもつかなんて分かりません。もしかしたらボクは遅咲きの写真家で、70歳になってからさらに活躍の場を広げていて、過去を紅茶と一緒に振り返る余裕などなく、そのときを全力で楽しんでいるかもしれないし、そうであって欲しい。長くなってしまったけれど、鮮明に思い出したいというボクの回答は、あまり深く考えずに出てしまったようです。ごめんなさい。だけど、あなたの質問のおかげで、ボクはそれほど過去を鮮明に残す必要はないかもしれない事実に気付けました。ありがとうございます。」

脳内質疑応答をすると、最後は長文回答で相手が戦意喪失するような文章になってしまうのですが、こういう理由もあって今月はカメラで写真を撮る機会が減ったのかもしれません。iPhoneに保存されていた今月のボクのログを紹介します。

GLAYのライブ2日前
BLUE GIANTを観た日
雨の中、散歩した日
マリオの映画を観に行った日
マリオとルイージが居た

こうして振り返ると、今月はGLAYのライブ、コナンの映画、マリオの映画と、休日を写真以外のエンタメに費やしていたようです。グッズを買うために外へ出ると、それらを傷つけることなく帰る必要があるから、持ったまま散歩する気にはなれないことも撮る機会が減ったことに影響してそうです。写真に興味がなくなったのか、最初は不安だったけど、何をして過ごしていたか、その時の気持ちを整理すると撮れなくても仕方ないかと思えます。写真家としていつでも写真が撮れるようにカメラを首からぶら下げて生活したいという人もいるし、ボクのように撮りたくなったら撮ればいいし、写真以外のことを楽しむときはカメラを取り出さず目の前のことに意識を集中する生活もボクは必要だと考えています。巡り巡って写真に還元される時が来るかもしれないから。撮りたいときに撮れば良いし、機材はそのときあるもので良い。撮るものがないなら、ボクのように忘れやすい人は潔く忘れ、そうでない人は覚えれば良い。すべては時の運です。

来月はバンプとKing Gnuのライブが控えていますが、11月の写真展に向けてギャラリーで打合せも始まります。どんな写真が残せるかワクワクしながら、来月も楽しい写真生活を送りましょう!

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