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1/13 好きな写真について #14

気持ちが落ち着く場所。たくさん歩いてやっと出会えた小さなカフェ。ここなら1人で誰にも邪魔されず、読みたい本がゆっくり読める。ホットケーキが焼きあがるまでの間、読みかけの小説を読み、出してくれた白湯を飲む。白湯ってこんなに美味しかったっけ? もうそれだけでボクは満たされていた。平日はお客さんも少なく、帰ろうとすると、お店の人が『まだゆっくりされて良いんですよ』と声を掛けてくれた。ボクは席を立ってしまっていたから、『ちょうど読み終えたのでまた来ます』と言った後、料理の感想を伝えてお店を後にした。こんなお店がまだ日本にあったのか。ボクのハートと胃袋がギュッと掴まれた。大好きだ。ロイヤルミルクティーと合わせて1,500円程度で、3時間もピアノのBGMを聴きながら過ごせるなんて、こんな幸せな時間なら何度でも経験したい。スマホを触る気分にもならなくて、写真だけ撮ったあとは、ずっと料理と小説にだけ集中できた。ボクが理想とする時間だ。

写真は還暦を過ぎても撮っていたいけど、たぶんその頃には撮った写真をあとで見返すことはないように思う。今でも、好きに撮った写真は見返す機会が少なくなった。いい写真が撮れたと思っても、帰ってきてパソコンで見ると不満な点が見つかることがある。それを避けたいから、時間をおいて忘れた頃に見返すくらいがちょうどいい。どの写真も微妙だなと自分で突っ込む。何かが足りない。街の中にすべて満たされた空間なんてあるはずもない。だから、何かが足りなくて当たり前なんだ。それでも写真に期待してしまう。ファインダーの中にだけでも、期待を詰め込みたい。ボクが切り取ったこの小さな枠の中に、自分だけの物語を記録する。そんな写真をたくさん撮りたい。

写真や旅のことだけじゃなく、今ボクが気になっていることをnoteに書いています!読んでいただきありがとうございます!