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憧れのサウジアラビアでときめきすぎて鼻血を出した
70カ国以上を旅してきた私には、つねづね「行かずに死ねるか」と思っている国がありました。
ベールに包まれた中東の国、サウジアラビアです。
もともとイスラム圏の雰囲気が大好き。聖地メッカがあるサウジアラビアなんて、興味をそそられずにはいられません。
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しかもサウジアラビアは2019年まで、観光目的での訪問が禁じられていました。これまた、旅好きの心をくすぐります。
憧れは募るばかりですが、イスラム圏の中でもとりわけ女性の権利が制限されている国なので、女性ひとり旅の難度は高めなはず。「誰かと行こう」と思っていましたが、結局同行者が見つからないまま、ひとり旅を決行することに。
結論として、ときめきのあまり鼻血を出すほど、感情を揺さぶられる体験になりました。この記事では、ひとりサウジ旅で見たものを紹介します。
サウジアラビアって?
サウジアラビアは、アラビア半島に位置する国。イスラム教の3つの聖地のうちの2つ、メッカとメディナを有しています。
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2019年に観光ビザが解禁されたのと同時に、外国人女性のアバヤ(全身を覆う黒い民族衣装)の着用義務も撤廃されました。
ちょっと欲張って、4カ国を訪問
中東が好きなので、この機会に他の国も一緒にまわることに。オマーン→バーレーン→クウェート→サウジアラビアというコースにしました。
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この記事に書いた「旅のしおり」がお供です。
おしゃれカフェだらけのリヤド
最初に訪問したのは、首都のリヤド。バスや鉄道が利用できないので、初めてのUberでホテルへ向かいます。
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中東の新市街らしい街並みにテンション急上昇!
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まずはリヤド近郊の世界遺産の街、ディルイーヤでサンセットを見るはずが、Uberの降車地点を間違え、意図せぬところに着いてしまいました。
どうしようかな、とGoogleマップを見ていると、興味深い美術展を発見!ぶらぶら向かっていたら職質を受けました。
「どこ行くの?」
「この美術展に行きたいんです」
「そこはとっくにクローズしてる。展覧会に興味があるなら、こことかどう?」
そんな経緯でたどり着いたのが、サウジアラビアで建設中のスマートシティ「THE LINE」の体験型展覧会。あまりのスケールとビジョンに感動し、この後しばらくTHE LINEのことばかり調べていました。運命的な職質に感謝。
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ディルイーヤ遺跡×サンセットの景色を見にきたつもりが、展示会に夢中になっている間にすっかり日が暮れてしまいました。このセレンディピティ感もひとり旅の醍醐味です。
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夜は栓抜き型のタワー、キングダムセンターの展望台へ。都会っぷりが伝わるでしょうか。
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夜景を見ながら、私はある決断に迫られていました。それは観光名所「Edge of The World(世界の果て)」への半日ツアーに参加するかどうか。
ひとりが好きかつ英語力低めの私は、おしゃれカフェで読書でもしていたいのが本音でした。
それでも「後悔したくない」という気持ちが僅差で勝ち、申し込むことに。
そこで見たのはこの絶景!なけなしの勇気と英語力を振り絞った自分を褒めたい。
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そのほか、印象的だったのがカフェです。
お酒のない国だからか、かわいすぎるカフェがあちらこちらに。このまま東京に持って帰りたい!
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何もかも巨大なジェッダ
次に向かったのは、海沿いのジェッダ(ジッダ)。聖地メッカへの玄関口と呼ばれている街です。
空港では巨大な水槽が出迎えてくれました。つい目が釘づけになったのですが、これはほんの序の口であることを、このときの私は知りません。
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街中で「何あれ?」と思って近づくと……
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噴水だ!世界で最も高い、312mの噴水だそうです。思わず笑いが出る巨大さです。
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巨大すぎて、脳が旗と認識できなかった国旗。
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さらには、世界一高いビルも建設中とのこと。どうやらすべて一番を狙うスタンスのようです。
何を見ても「うおお」と声が出てしまう感じが、アスタナ(カザフスタン)に似ているような。
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世界遺産エリアも訪問。日常と非日常が溶け合うふしぎな街並みを散策しました。
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どこにも似てない街、メディナ
最後に列車で向かったのは、今回の旅の目的地、聖地メディナ(マディーナ)。
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最大の聖地・メッカは非ムスリム立ち入り禁止ですが、メディナは中心部以外ならOKとのこと。期待が高まります。
ただここで問題が。
非ムスリム宿泊不可のホテルが多いという情報を見つけたのです。実際、あるホテルから宿泊お断りの連絡が届き、慌てながらも「これがサウジか!」とテンションが上がりました。
その後、非ムスリムらしき人の口コミが多そうな別のホテルを予約。「チェックイン時に断られたら野宿するしかない……?」とドキドキしていたのですが、何事もなくてひと安心です。
さっそく街を散策します。
"中心部以外ならOK"ルールは形骸化しているのか、想像以上に自由に歩けました。
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もちろんイスラム教徒の方々への配慮は必要です。私はオマーン入国以降、メルカリで譲ってもらったアバヤとヒジャブを着用して身体と髪を隠していました。「リスペクトをありがとう」「アバヤ素敵!」と声をかけてもらうシーンも。
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ついに来た!聖地「預言者のモスク」です。うわーっと叫び出したい気持ちを抑えつつ、少し距離をとって見学させてもらいます。そうしている間にも、たくさんの巡礼者が入っていきました。
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その後は2階建ての観光バスに乗りっぱなしで、街をぐるぐるまわりました。これなら遠慮せず、あちこちを見られます。
聖地はイスラム教徒の方々にとって、一生に一度は訪れたい場所とのこと。いろいろな国からやってきた巡礼者たちの笑顔が印象的でした。
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途中でアザーン(礼拝の呼びかけ)が流れはじめ、バスの運転手さんが「悪いけど、ちょっとお祈りしてきてもいい?」と小走りでモスクへ。この光景を何年経っても思い出すんだろうな。
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お祈りの時間がくるたびに、モスクの様子を見に行きました。見飽きることのない神々しさです。
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モスクでの集団礼拝をじかに見るのは初めて。
イスラム圏を旅すると、カフェなどでお祈りしている方を見る機会がありますが、それとはまた別物です。この雰囲気を感じたくて、はるばるサウジアラビアまでやってきたのでした。
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メディナをひと言で表すならば、どこにも似ていない街。旅をすればするほど「ここはあの街に似てるな」と思ってしまっていたのですが、メディナはまったく新しい景色を見せてくれました。
サウジアラビア、なんて国なんだ。
ときめきと興奮が許容量をオーバーしたのか、3日連続で鼻血を出し、無事に旅を終えました。
よく聞かれる2つのこと
「サウジに行ってきたよ」と話したとき、よく聞かれるのは次の2つです。
危なくないの?
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街やタイミングによるとは思いますが、私の感覚では、東欧・西欧よりも安心して歩けました。
女性ひとりで大丈夫だった?
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ナンパ的に声をかけられたのは2回だけ。中東のほかの国に比べると、かなり少ない印象です。じろじろ見られることもありませんでした(ちらちらと遠慮がちに見られます)。
とはいえ、やはり女性のあり方は独特のようです。現地の女性がひとりで歩いたりカフェに滞在したりするところはほぼ見かけませんし、Uberドライバーが女性だったのは一度だけでした。
ひとりサウジ旅で得たもの
運が味方してくれたのか、「女性ひとり旅の難度は高めなはず」という予想はいい意味で裏切られ、何事もなく旅を満喫できました。
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特に聖地メディナでのひとときは忘れられません。見たもの感じたことをもっと細かく言語化してシェアしたいような、心の中に大切にしまっておきたいような、そんな気持ちです。
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いまこの瞬間も多くの巡礼者がメディナを訪れているんだろうな、と思いを馳せる今日この頃。こうして時折思い出す街を増やすことが旅の目的のひとつなので、今回の旅も成功といえそうです。
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