季節の軋轢
秋
金木犀の香り
冬至へと向かう太陽
急ぎ足の街
僕は秋が好きだ
それは、夏を失うからだ
それは、冬を得るからだ
変わっていく事は前に進む歩みの為に
後ろに居た自分の場所を失う事でもある
失った場所、戻れない追憶、届かない物
今は辿り着けないセピア色の場所へ至る小道
届かないと知っていながら求め続ける
そんな心を呼ぶ名が、郷愁なのだろう
濃く苦いコーヒーと冷たく澄んだ氷
濃くて苦くて、少し水っぽい、
そんな二つの季節が混ざり合った夏と冬の軋轢
それこそが秋なんだろう
僕は、秋に留まっていたい
それが、僕が秋にやりたいことだ
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