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  • 結の桑

    古典から引用した桑の効能や現代の使われ方、育成、商品などについてまとめを記載しています。 古来より珍重されていた桑にもう一度注目していただきたく、栽培記録なども公開していきます。

最近の記事

桑の実ジュース「結の桑」の機能性成分

身近な植物の中では桑の葉のみに含まれると言われている1-デオキシノジリマイシン(DNJ)は、αグルコシターゼという消化酵素の働きを抑える働きがあり、糖の吸収を穏やかにすることから糖尿病の予防効果があると言われていますが、このDNJが、「結の桑」からも検出されました。本来、最初にDNJが単離されたのは桑白皮でしたので不思議はないでしょう。 その他、目の疲労回復や抗酸化作用、睡眠・鎮静作用、脂肪蓄積を抑える効果があるとされる、その色からも明らかなアントシアニンやルティン、クロロゲ

    • くわばら、くわばら

      そこそこお年を重ねた方は、 この「くわばら、くわばら」知っているし、 口にしたこともあるのではなうでしょうか? 私、すでに1ヶ月くらい前の話になりますが、 桑畑の草刈りをしている時に雷が鳴り出し、 黒雲が空を覆い始め・・・ もう少し、もう少しだけ刈りたい!! 周りには建物はおろか、背の高い木もない。 金属の刈り払い機を持っているし、どうしよう そんな時に思い出したのが、 この「くわばら、くわばら」 日本では古来より、この「くわばら、くわばら」が おまじないとして唱えられ

      • 津田かぶについて

        先日よりお世話になっている 茨城県筑西市にある 元禄時代から自然農法をされている畑で 津田かぶというこの辺では見かけない蕪を育てています。 こちらの畑の津田かぶは、 通常ではありえないほど大きくなるということで 多くの研究者さん(?)が見学にいらっしゃるそうです。 今月の畑の見学会のあと、 家に帰ってググってみたら、 なんと、松江市東部の津田地区一体で栽培されている品種で 松江藩松平直政公の時代から栽培されていたとのこと! 松平直政公といえば、 結城家18代城主でその後越前に

        • 桑の実の成分と働き

          桑の実の主要成分は、水分、転化糖(ブドウ糖、加糖)、遊離酸(リンゴ酸、クエン酸)無窒素物(ポリフェノール)、粗淡白、粗繊維、灰分と言われています。 そのほか、微量成分として、無機元素のビタミンK・カルシウム・マグネシウム、極微量元素の鉄・亜鉛、ビタミン類はB1・B2・C、糖類の単糖・オリゴ糖・多糖、有機酸のクエン酸・酒石酸・蓚酸・フマル酸、必須アミノ酸のロイシン・バリン・リジン・イソロイシン・トリプトファンを含んでいます。 また、非栄養素で機能性成分といわれるフィトケミカ

        桑の実ジュース「結の桑」の機能性成分

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        • 結の桑
          4本

        記事

          医心方に見る桑の実

          医心方とは、平安時代に宮中医官を務めた鍼博士・丹波康頼が撰した、日本に現存する最古の医学書です。 全30巻の壮大な医学書で、古代東洋においても「ヒポクラテスの誓い」に勝るとも劣らない医のモラルが説かれていたことがわかると『医心方』事始めに著者である槇佐知子さんが書いておられます。 その第30巻が食養篇と成っていて、桑の実は、その第二章 五菓の部に桑椹として記載されています。 日本で桑が栽培されるように成ったのは5世紀の後半からと言われていますが、ヤマグワ(ノグワ)やハマグワは

          医心方に見る桑の実

          栄西の喫茶養生記より「桑」について

          『喫茶養生記』とは、鎌倉時代に禅僧の栄西上人が宋に留学中に見聞した記録をもとに出版された書籍で、下巻には桑の効能が詳しく書かれています。 鎌倉時代にして、近年の病として飲水病(糖尿病)が取り上げられています。 飲水病には桑の粥、中風には桑の粥、桑の湯、桑を煎じた桶で沐浴、不食にも桑の粥、瘡(皮膚の吹き出物)も桑の粥、桑の湯を服用、脚気には桑を使うとのみ書かれています。 桑の粥は桑の木の枝を小さく裂き、黒豆と煮たのち桑を取り除いて米を加えほぼ一昼夜煮て空腹時に服用するのだそうで

          栄西の喫茶養生記より「桑」について