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翻訳者のスキル向上

こんにちは、ゆいりんごです。

「翻訳」とは「英語を読んで日本語にする」という曖昧な作業ではなく、

お題の全体像を原文で理解→不明点をリサーチ→綺麗な日本語に落とし込む

という明確な作業プロセスから成り立っています。

それぞれの作業プロセスを迅速かつ正確に実行するには、
1、原文を理解できる英語読解力
2、リサーチ能力
3、日本語力
の3つを鍛える必要があります。

1、原文を理解できる英語読解力

いわゆる「英語できる」に値する力です。
このスキルを上げるには沢山の英語に触れる以外ありません。
ここで挫折しないよう、英語の素材を選択する上で背伸びしすぎないようにして下さい。
今まで日本語で新聞を読んでこなかった人が突然英字新聞を読めるわけないんです。
「自分が好きなもの」や「普段からよく目にするもの」から徐々に幅を広げていくと、英語に対して自然にアプローチできるようになります。

ちなみに私は「Criminal Minds」の大ファンです。(突然)
当然ながら全シーズン攻略済みです。むしろ4回づつぐらい観ています。
そこからドキュメンタリー調の犯罪系の番組にどっぷりハマり、
結果として普通のニュースをチェックする習慣がつきました。

そして更には「何かの目的を達成するため」の英語の情報に触れるというのも大変有効です。

私の場合、犯罪番組だけを取り扱う「Investigation Discovery」へのフルアクセスを一番安く手に入れるため、NetflixやHuluといったアメリカに存在するストリーム系サービスを徹底的に調べたことで、ストリミーングの契約形態やら含まれるサービス内容にやたら詳しくなりました。

自分の興味が長続きするコンテンツを選びましょう。

2、リサーチ能力

翻訳におけるリサーチは以下の2パターンがあります。
・英語の意味が分からない場合
・当てはまる日本語が分からない場合
ここで注意すべきなのは「使用されているコンテンツ内での意味」を追求する必要がある、ということです。

例えば「Hello」という言葉を訳すとします。
Googleで「Hello 意味」と検索すると「こんにちは」という結果が一番に出てきます。
これをそのまま採用してしまっては翻訳のリサーチとして不十分です。
『どんなタイミングで使われている?』
『前後には何がくる?』
こういった問いかけを常に繰り返しながら最適な意味や訳を導き出します。

具体的には「Hello, XXX(人の名前)!」という表現でも以下のようなパターンが考えられ、それぞれ微妙に異なるニュアンスを出す必要があるのです。
パターン①旅行代理店チャットアプリの自動応答
パターン②これまで取引したことのない会社の営業担当者へのメール
パターン③戦闘型RPGゲームの読み込み画面

皆さんだったらどう訳しますか?

3、日本語力

翻訳における日本語力って何でしょうか。
これは読む相手が違和感なく読める文章を構成する能力のことです。
翻訳者のセンスやテイストが表面化する領域であり、一度定着した文章構成は意識しないと変えられないものです。

この日本語力が高い翻訳者は
・訳しているコンテンツが誰に読まれるのか
・コンテンツが達成しようとしている目的は何なのか
を訳文に自然と取り込んでいます。

私の中で質が高いと感じる文章はとにかく「読みやすい」ものが多いです。
読みやすさは相手の興味を長続きさせてくれます。
相手の興味を高めることは、結果としてその文章が実現しようとしている目的の達成を実現してくれるんです。(契約書なんかはその逆です。あえて難しくして本当の目的を誤魔化していることが多々あります)

翻訳者として活躍したい分野を中心に、様々な文章に触れましょう。
ただ読むだけではなくその文章の「スタイル」を意識して下さい。

私の得意領域はソフトウェアと商品説明の翻訳です。
ですから普段から様々なソフトウェア公式サイトやAmazonの商品説明を意識して読むようにしています。

自分にとって魅力的な日本語に沢山触れましょう。

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