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アイススケートに出掛けよう

冬になると無性にアイススケートをしたくなる。別に屋外リンクでしたい訳じゃないのに。どちらかといえば夏でも滑れる屋内スケート場に行きたいのに。

スケートデートに想いを馳せるのはいつだって寒くなってからだ。

君は運動音痴ではないけど、ウィンタースポーツは苦手で。私は運動音痴だけど、ウィンタースポーツは中々に得意。

乗り気じゃないのを承知で「ほら、スケートに行きますよ〜」とぬくぬく丸まる君に後ろから抱きついて、こたつから引っ張り出そうと試みる。もちろん私が引っ張り出せる訳もなくその作戦は失敗に終わるけれど、次はわき腹こちょこちょ作戦!「くすぐったいからやめなさい〜」ってくねくねしながら言う君を無視して作戦続行。この作戦は君に有効なので、程なくして「分かった!行くから!はい、ストップ!」の言葉が出てきます。そうすればミッションコンプリート!

(滑って暑くなったら脱げるように)たくさん着込んで、いざ千駄ヶ谷へ。寒さを言い訳にし、私は君の腕に絡まって駅まで歩く。電車の中は暖房が効いているので節度を守ります。(それに人前でべたべたくっつくのは嫌がられるから)

スケート場で貸し靴を借り、いざ滑走!冬に1度しかしないデートだから私も最初は足元がおぼつかない。隣の君はスケートリンクの壁に掴まり毎回へっぴり腰スタート。

そんな姿を見て、毎回愛おしいなぁという気持ちになる。愛おしいという意味の「かわいい」という言葉を口に出すのをぐっとこられ、にやにや?にこにこ?しながらじっと見つめる。私の視線に気付き「なに?」とややバツが悪そうな顔で聞いてくるので今すぐ抱きしめたいという笑みを抑え「はやくおいで」とだけ答える。

ほっぺが赤いのはアレよ、寒くて赤くなっただけ。別に照れてなんかいないよ。

君をこんなに愛しく思っていること、君にバレるのはちょっぴり恥ずかしいから。

今年の冬で3回目のアイススケートデートだから、リンクを一周もすればきっと2人並んで楽しく滑れるよね?お互い転びそうになったら、無理に助けようとせず、上手に転ぼう。そして立ち上がる時に手を出し合おう。

「ほら、スケートに行きますよ」

サポート…!本当にありがとうございます! うれしいです。心から。