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フィリピンで1億円でビーチリゾートを作る ダイバーは自由を選んでしまう編

ド素人の私が何とか無知と行動力と語学力を武器に迫りくるフィリピンとフィリピン人との法律、土地売買、建設関連問題、金銭絡み、嫉妬妬み、プライド、男と女の関係などなど大きなお金が絡んでくるとこんなにも人間の正体があからさまになりそれが大きなエネルギーの塊となり時には襲ってくるのかと、難局をすれすれでかわしつつ、何とかビーチリゾートは建設が進行し遅延などいろいろあるが軌道には乗った。

次の一手として実際のビーチリゾート運営について考えなければならない。

やっと実際のビーチリゾートを出来てからのことを考える所まで来た、しかしそこには最大の落とし穴が待っていた、、、

誰もサンドバックになんかなりたくない

実際にビーチリゾートの運営の話になると私の立場や考えは何度か伝えていて理解してもらえているとばかり思っていたのだが日本側の考えはどうやら私を現地での全責任を負う総支配人にしたいようだ。

自分がやりたかったビーチリゾートだったし、中に入り運営しながらいろいろと学べると思ったので興味はあったがここまですでに2年以上日本側の出資者と運営者と仕事を通して付き合ってきたのでどういうことになるのか予想はつきそこに飛び込んでいくのが自分にとってどうなのかを考えてはいた。なので実際にその予想を考慮した上でどうお考えなのかと私はどう考えているのかを話してみた。

お話は永遠とも言える時間続いた、ほぼ一方的に永遠と、文字通り丸二日間話は止まらなく徹底的に全てをさらけ出すように2日間続いた。

夜が来て朝が来てまた夜が来て朝が来た。

その中で最後によくわかったことがあった向こうの考えはこうだ(実際にサンドバックという言葉や言うことを聞くゴリラと言っていた)「私たちは現地で私達の代わりにサンドバックになり働いてくれる人を探している、24時間365日どんな時も現地にいてお客様に対応する、あなたが適任だと思う、私達は基本的には家族もあるし日本にいる、フィリピンには毎月か数か月に一回ぐらい3日ぐらいしかいられない。あなたは今あなたがやっている全ての仕事を辞め私達のリゾートのためだけの仕事をしなさい。給料は月10万円、リゾート内に泊まり、食事も提供するからお金も使わないで貯められる、こんな良い話はないんじゃない??」

何事にも縛られなく、自由で同等の立場

私が一番気になったのが「今私がやっていることを全て辞める」ということ。何とも日本的で何とも上からのものの言い方、従業員として縛りたい、私が最も嫌いな何故かその類の言葉や雰囲気が出ると本能的にスッと避けている事だ。

彼女らは「SNSもブログも私が審査します、私が良いというものを発信してください、今やっている仕事も全て辞めなさい」と言った。

2年以上もこのプロジェクトに関わらせていただきその間多くのことを学ばせてもらった。そのご恩には報いたいと思った。

しかし仕事として依頼を受けて来たことではあるし、気に入らなければすぐに切れる言うなれば単発の仕事を継続してきたのであって従業員、彼女らが言う正社員としてやってきたわけではない

少なからず私の提案やアドバイスは有効にこのプロジェクトに取り込まれ、多くの成果も学ばせてもらいながらではあるが上げて来たと自負できる。

施されたら施し返す恩返しは別の形でするとして、私が望むのは私がそもそもフィリピンの田舎町を選んで移住した時に抱いて来た何事にもある程度縛られない生き方、上から押さえつけられたりする、サンドバックにされるのではなくあくまでも同等の立場として仕事をすること。

正社員などには私はなりたくない、安定を求めてここに来たのではない、自由を求めて来たのだ

サンタモニカビーチの朝日

時はゆっくりと流れ、突然流れが変わっていく

それから私がサンドバックにならないと言ったことや、前回書いた悪徳弁護士の件もありフィリピンへの不信感が募ったのを理由に2回目のビーチリゾート計画中止の話が持ち上がりしばらくの時間が経過した。

このプロジェクトを完成までは見届けたかった、やり抜きたかったので東京と大阪にいる出資者や運営者を訪問し話をし、直接的な原因が男女の仲のような微妙なものであるようなのでフィリピンのことは確実に固めつつ時が流してくれるのを待った。

時はゆっくり流れ私はこのプロジェクトを通して多くのことを学んでいたので新たな仕事の依頼がどんどん増えまた元々ずっとやっていたダイビングやネイチャーツアーの仕事に没頭した。

そして時はまた流れ、男女の仲は元の鞘に収まりプロジェクトは何事もなかったように進行し続けた、大切な1ピースを除いては

この微妙な流れの中で私はいろいろ考えすでに結論は出ていた。

決断の時を迫られ(すでに結論を何度かお伝えしたのだが)最終的に「あなたは私達の側につくの?正社員になるの?」と迫られ、また、今度は2人がかりで丸二日間拷問の刑に称される。

何を言われようが、何度言われようが、甘い汁を提示されようが何だろうが私の結論は一つ「申し訳ありませんが、正社員とかそちら側につくことはできません。あくまでも私が自由な形で私の側で同等の立場でやらせていただけるのであれば協力させていただけることもあるかもしれません」

自分は自由なダイバーだ

海の流れのように、波のように形を次々と変えていく

こうして私は一線から退き、向こうもやっと諦めてくれたというか、あくまでも上から怒りや皮肉を込めて「あなたがやらないと言うなら後任を紹介するのが筋です、責任です!私達はここまで来てどうすればいいのか、責任を取りなさい!!」責任や筋とか多言する人ほど信頼できなく、また責任や筋が通せない人が多いと思う。言い分が滅茶苦茶だしどこまで行っても上からモノを言う。

施されたら施し返すのが筋だろうからその筋とやらを通すべく後任を紹介し、しばらくの間面倒を見続けた。

この後任はいきなり3年前に家にやってきて「僕を鍛えてくれ、あなたのようになりたい、お金はいらないから訓練してくれ」と言ってきたフィリピン人で3年間鍛えたが途中で4回も逃げまた謝り戻るを繰り返したなかなかの曰く付きの奴で、紹介して2日で追い出されたが説得してラストチャンスだと戻したらリゾート完成後まで頑張って今も続けている。

こうして私なりに筋は通したと思う。

自分がずっとやりたかったビーチリゾートをやるというのは残念ながら果たされたかったが自分でやることに意義があると思えたし、そのうちやればいい。こうしてビーチリゾートの作り方は大いに経験できたし自分が大切にしている「何事にもしばられない生き方」を自分が本当に大切にしているんだということに気が付けたことは大きかったと思う。

思い込みにもしばられたくないので、あくまでも今はこう思っているという感じだし、良いことや流れや状況によってコロコロ言うことは変わってくると思う。

海の流れのように、波のように、形を次々と変えあくまでも自由にどこでも機会があればたどり着く、やっぱり根がダイバーなのは変わりない

ってなわけで、ダイバーは元の木阿弥になり自由な方を選択してしまったわけです。

ここまでお読みいただきありがとうございました。

次回はフィリピンで1億円でビーチリゾートを作る最終章ビーチリゾート完成編をお送りします。







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