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スクワットとレッグプレス、優秀なのはどっち?~比較実験から考える~

マシンとフリーウェイト、どちらを行うべきか?というのは筋トレ界では定番のトピックです。

それぞれに特徴と利点があり、またデメリットも存在します。

従来から言われているのは、次のような評価でしょうか。

フリーウェイト

(コンパウンド種目の場合)マシンよりもたくさんの筋肉を動員しやすい。
しかし、フォーム習得に時間と手間がかかり、またケガのリスクもそれなりにある。

マシン

ターゲットとなる筋肉に刺激を入れやすく、トレーニングボリュームを稼ぎやすい。
軌道があらかじめ制限されているので、フォーム習得の手間がない。
しかし、よりたくさんの筋肉を動員する、という観点ではフリーウェイトにやや劣る。

といった感じでしょうか。

個人的な印象を言うと、フリーウェイトは競技力向上を目指す、つまりパワーやアジリティといった能力を求める競技アスリートに好まれ、マシンは筋肥大を目指す、つまり対象筋に多くの刺激を入れてトレーニングボリュームを稼ぎたいボディビルダーに好まれる傾向があると感じられます。

プロ競技チームのトレーニングルームなどを見ると、パワーラックとプラットフォームがずらっと並んでいて、バーベルトレーニングがしやすい環境になっていることが分かります。

それに対し、ゴールドジムのようなビルダー御用達のジムは、ラックに加え各種のマシンが豪華に取り揃えられていますね。

問題に答えてくれそうな研究があったので、この記事ではその紹介と、解説をします。
2018年の研究です。

筋トレ業界では著名な、ブラッド・ショーエンフェルト博士ブレット・コントレラス博士も著者に名を連ねていますね。

ちなみに、コントレラス博士はあのヒップスラストの生みの親と言われています。

さて実験ですが、アメリカで26人の男子大学生を被験者に行われました。

内容はズバリ、

バーベルスクワットと、レッグプレスの効果を比較検討した実験

です。

参加者の身長や体重は以下の通り。

22 ± 3.9歳
175.4 ± 5.5㎝
80.7 ± 17㎏

アメリカではまあ普通といったところでしょうか。

直近の6ヵ月間に筋トレをしていない人が対象だそうです。
要は、筋トレの初心者を集めたということですね。

当然(?)ながら、ステロイドやサプリメントも摂取していません。

そして、レッグプレスはCybex社のPrestige Strength VRSというモデルを使用したようです。

日本でもよく見かけるタイプですね。

そしてトレーニング内容は以下の通り。

全10週間実施する。

週に2回のセッションで、それぞれ6セットずつ行う。
8~12RMの負荷で、インターバルは90~120秒。

そして、比較条件として

①スクワットのみ
②レッグプレスのみ
➂スクワット+レッグプレスの併用

3グループに分けて行ったそうです。
ボリュームを揃えるので、➂のグループはスクワットとレッグプレスを3セットずつ、計6セット行ったと思われます。

ちなみに論文ではもう少し細かく条件が指定されていて、

最初の2週は導入として、各セットについて、失敗する(潰れる)1~2回手前でセットを打ち切る。
3週目以降は、最初のセット重量を1RMの80%(≒10RM)からスタートし(どこで1RMを計測したかは不明。1、2週目のデータから推測したか?)、潰れるまで行う。
ただし、潰れた回数が8~12回の範囲に収まらなければ、次のセットでは重量の増減を行う。

論文より適宜抜粋

となっています。

さて、それでは気になる結果はどうでしょうか?
下図は、実施後のアップ率です。

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