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【感想】「アンナラスマナラ」-韓国が私が理想としていたミュージカルドラマを作ってくれた-
2022年5月6日、韓国のゴールデングローブ賞とも言われている「百想芸術大賞」と同じくらい楽しみにしていた、韓国ドラマ「アンナラスマナラ」がついにNetflixで配信されました!百想芸術大賞が終わった後にすぐ視聴しましたが、全6話ということもあって、次の日の午前中には見終わってしまうほど爆速で完走。
これまで数々のミュージカル作品を見てきましたが、ミュージカル好きの私にどストライクの作品だったので感想を書くことにしました。
あらすじ
会社が倒産して失踪した父親の代わりに妹との生活を守るため、毎日バイトに明け暮れていた、高校生のユン・アイ。偶然、寂れた遊園地を見つけ、そこで暮らすイケメン魔術師のリウルに出会う。魔術師はマジックを見せ、厳しい現実を生きるアイにひと時の幸せを与え、自分の人生や夢を見直す機会を与えてくれた。そんな中、同級生が行方不明になる事件が発生し、リウルが事件の重要人物として警察に探られることとなる。アイを助けてくれる魔術師は一体何者なのか、寂れた遊園地で暮らす意図とは?リウルが見せてくてる幻想的な魔法に魅了される、ミュージカル・ファンタジー。
完成度の高いミュージカルに惹き込まれる
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このドラマ一番の見どころといったら、CGを駆使したミュージカルシーン。魔術師が主人公たちに見せてくれる魔法と融合しながら、ミュージカルシーンを幻想的に作り出しているので、どのシーンもワクワクしながら見られます。私もこの世界観に一気に惹き込まれたので、時間を忘れて楽しめました。
一番好きなのは、1話の冒頭部分。高校生たちが寂れた遊園地にいる怪しい魔術師の噂話をしていると、魔術師の魔法によって勝手に身体が動き出し、ミュージカルシーンが始まる。この部分の、見ている人の心を掴むような演出が最高です。やっぱりミュージカルの良さは、「おっ、始まる!始まる!」と期待してしまうような高揚感だと思うので、この始まり方を見た時、「これは当たりだ」と確信しました(笑)。
曲数は各話に1.2曲ほどなので、多くもなく少なくもなく、要所要所に効果的に用意されていて無駄がないなと思いました。曲の入りも違和感がないのもよかったです。
キャストの歌唱力の高さに驚かされた
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ミュージカルをする上で重要なのが、キャストの歌唱力。歌唱力の良い悪いで、キャラクターへの感情移入のしやすさがだいぶ変わります。
この作品では、主にチ・チャンウク、チェ・ソンウン、ファン・イニョプの3人が歌っていましたが、みんなキャスティングに納得できるほどの歌唱力でした。特に、チ・チャンウクが凄かったです。元々ドラマを何本か見ていましたが、歌が上手いことは知らなかったので、「う、上手い、上手すぎる」と純粋に歌声に惚れてしまいそうなほど。ミュージカル部分を見るだけでも十分価値がある気がしました。
ファン・イニョプは韓国ドラマ「女神降臨」でも歌唱力を披露しているので、気になる人は見てみてくださいね。
社会や親に左右されず自分らしく生きることの尊さ
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両親がいないので妹を養うために精神をすり減らしてまでお金を稼ごうとする、ユン・アイ。両親が望んでいる夢のために勉強に邁進する、ナ・イルドゥン。魔術師のリウムと出会う前の二人は社会や親に抑圧されて生きている高校生でした。
ドラマではカットされていましたが、原作ではアイはもともとマジシャンになるのが夢だったと言っています。そんな幼き頃の夢を諦め、妹と生きていくために生活費を稼ぐしかないと、どこか自分の人生を諦めて生きていました。リウムと関わっていくことで少しずつ笑顔を見せていき、逆にリウムを助ける存在になっていく姿がよかったです。
イルドゥンは幼い頃から親に裁判官になって欲しいと言われ続け、それが自分の夢であるかのように刷り込まれてしまいました。物語が進んでいくことで、親の敷いてくれた道さえ歩いていればいいという考えから、こんな人生でいいんだろうかと見つめ直して成長していく様子が好きでした。
周りが就職や進学しているから、親が正しいと言っているから、すぐに会社を辞めるのは社会人として失格だから…。そんな周囲からの意見を建前にして中々前に踏み出せない・かった人に刺さるテーマです。
周りに反対されてもいいから、たとえ険しい道が待っているとしても自分が生きやすいように生きていこう。そんな気持ちにさせてくれます。
「マジック=子供心」という捉え方
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リウムが言っていた「당신 마술을 믿습니까(あなたはマジックを信じますか)」という言葉。結局どういう意味なんだろうと思った方も多いかと思います。
私は、「子供心を忘れていませんか?」という言葉を比喩しているんじゃないかと思いました。マジックとは合理的な原理を用いて人間の錯覚や思い込みを利用し、あたかも「実現不可能なこと」が起きているかのように見せかける技術のことです。
子供の頃に信じていたサンタクロースや魔法、実際にあると思っていた空想の世界、叶うと思っていた夢…。大人になった自分たちにとっては、「実現不可能なこと」です。大人になって現実を知った今、子供の頃のように「信じること」を忘れてしまった人に対して訴えているなと思いました。
リウル自身、親の期待に答えようとして無理をした結果、心が壊れてしまった過去があります。アイやイルドゥンのように周囲に抑圧されて無理をしている子を自分と重ね合わせて手を差し伸べている姿は、見ている側も心動かされる要素です。
納得の配役、吹き替え声優たち
主要人物の吹き替え声優さんたちはこちら↓
リウル役(チ・チャンウク)・・・・・・・KENN
ユン・アイ役(チェ・ソンウン)・・・・・伊瀬茉莉也
ナ・イルトゥン役(ファン・イニョプ )・・石川界人
ハナ役(チ・へウォン)・・・・・・・・・M・A・O
ソヒ役(キム・ボユン)・・・・・・・・・千本木彩花
とても豪華。アニメ・声優ファンからしたら知らない人はいないほどですね。どの方もキャラクターに良くあっていましたが、特によかったなと思ったのがKENNさんです。
初めはチ・チャンウクにKENNさん?声質があまり合っていないんじゃ?と思いましたが、大人ながら子供心を忘れていないような無邪気な感じのリウルという役にとても合っていましたね。
私は声優さんも大好きで吹き替えで見ることはよくありますが、韓国ドラマの吹き替えは当たり外れが激しいのは事実。何度か知っている声優さんでも吹き替えが好きじゃなくて字幕に戻したことがあります。今回の作品は配役もよく考えられているのが感じられてとてもよかったです。
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