ベンチマークにしている企業(ブランド)とその理由を紹介します

こんにちは。FABRIC TOKYOの森 雄一郎 です。

”ベンチマークしている経営者、企業は何ですか?”

といった質問をいただきましたので回答したいと思います。

僕がベンチマークしている企業ですね、実は身近な会社は全くありません。
あるとすれば、例えば企業としてビジョン、ミッションなどの大きな姿としてベンチマークにしているのか、それとも直近D2Cの戦略メーカー・ブランドとしてなのかで違ってくるんですけれども、後者はほとんどないです。D2Cの企業として参考にしている会社っていうのはあまりなくて、前回お話しさせて頂いた通り、差別化とか他社の真似をしないとかそういったことを心がけているからに他なりません。

基本的に卓越化したいと思っているからなのです。

ただ、大きな目線でビジョンとかミッションとかですね、企業としての世界観とかそういったところは非常に参考にしている企業というのは、いつも挙げているのがNikeとAppleの2社です。

1社目がNikeについてです。
Nikeは皆さんもおそらく1つは何かしらアイテムを持っているであろう、スポーツウェアメーカーですね。もともとはシューズメーカーです。
このNikeという会社、すごく僕が好きなのはですね。
Nikeって自分たちのブランドをスポーツウェアを提供するブランドと位置付けてないんですね。スニーカーブランドても運動服のブランドでも、そういったことを定義していないと。

Nikeのコアの価値っていうのは何かっていうと、「勝利感」って彼らは言っているんです。つまり「世の中のスポーツをする人々に勝利を届ける会社」だとNikeは定義していると。

皆さんもNikeのCMや雑誌の広告など見たことあると思うんですが、Nikeの広告ってスニーカーの話とか一切しないことにお気づきですか?
NikeのテレビCMをサッカー日本代表のハーフタイムとか流れるのなどを見ると、アスリートとストリートチルドレンが一緒にサッカーしたりして、それで点決めて子供が興奮した表情をして立ち尽くす。そしてその足元にはNikeのスニーカーを履いて「JUST DO IT」というタグラインが出てくる。NikeはいつもこんなCMをやるんですね。皆さんもおそらく見たことがあるんじゃないかなって思っています。

日本企業的発想で広告を作っちゃうと、スニーカーの素材とかソールの仕組みとか形状がどうとかとか新素材があって早く走れるとか、どうしてと「スペック」を強調してしまいがちなんですね。しかしNikeっていう企業の広告は一切そういう話はしないと。あくまでも勝利感を表現しているんですよね。
だから彼らっていうのはスニーカーだったりとかスポーツウェアそういったものを販売しているんじゃなくて、販売はあくまでも手段の1つで、Nikeのユーザーに勝利して欲しいと、そういう風にメッセージを強く訴えているわけです。「JUST DO IT」というタグライン・ミッションステートメントで人々を後押ししている。

挑戦する人を応援して勝利に導くといった企業になっております。
これすごく僕がブランドつくりをする際に大事にしている、非常に参考にしている話になります。

2社目はAppleという会社になります。iPhoneやMacBook、Apple Watchなどを出している会社ですね。これもNikeと全く似たようなことで参考にしています。
Appleもですね、コンピューターを提供する会社っていうよりもですね、人々がクリエーターになることをサポートする会社なんですよね。ミッションステートメントをあんまりAppleって表に出してないんですけれども、世界中の人々のクリエーションを支える会社というミッションが社内などでは共有されているようです。

AppleのCMもスペックの話を一切しません。
コンピューターなんかスペックでの表現が最もわかりやすいところですが、やらないんですね。CPUがいくらでメモリがいくらで、ハードディスクが何GBでとかですね、こんな高性能なディスプレイです、などやってしまいがちだけどやらないんです。

すごく有名なCMに、1984年のスーパーボールの時にAppleが流した「1984」CMがあります。当時コンピュータ市場を独占していたIBMをジョージオーウェルの小説のビッグブラザーに見立ててかなり皮肉るようなCMでした。
また、1997年に「Think different」というCMキャンペーンをやりました。
最近だと、我々も記憶に新しいiPadがリリースされた際のCMです。iPadもスペックの話は一切せずに、FaceTimeっていうビデオチャットアプリで遠くの家族と楽しそうに喋っているという、実体験っていうものをCMで表現していました。

Appleはコンピュータを提供しているというより、コンピュータっていうのはあくまでもツールであって、そのツールを使った先のライフスタイルを提供している会社なんです。

クリエーションに挑戦する人が増えてほしい、クリエーターに誰でもなれる。そういった可能性を企業として提供しているという風に心がけているから、我々はAppleという会社が出してくる数々の製品を欲しくなると思うんです。それを手に入れて毎日の生活がよりアップデートされたものになるという風に思うこと。だからこそ製品を買ってくれるという感じなんじゃないかなと思っています。

以上が理由で、ぼくはNikeとAppleという2社を非常に参考(というか尊敬)にしています。

今日お話しさせて頂いた内容っていうのは、FABRIC TOKYOに入社してくる全ての社員1人1人にお話しさせて頂いてまして、FABRIC TOKYOはNikeやAppleと同様に、洋服を販売しているブランドじゃないという風に思ってくださいと伝えています。
FABRIC TOKYOのウェブサイトのミッションの場所を見ていただくと、自分らしいビジネスウェアを通して働く楽しさを届けるって書いてあるんですね。我々は洋服屋さんではなくて、お客さまの働く楽しい体験をサポートする会社なんです。

洋服もスペックで語るのは簡単です。生地はxxx製で原料はこんなに良いものを使っていて、この縫製はこんなところにこだわっていてとか非常に大事なものの、そういったことを我々はメインのベネフィットとして顧客に提供しているわけではなくて、あくまでもその商品を使って頂いた後の体験っていうものを大切にしているということをいつも入社の時にお伝えさせて頂いていますし、毎回毎回繰り返し話をし、立ち返ることにしています。

今日はベンチマークしている企業をご紹介させていただきました。参考になれば幸いです。

ありがとうございました!

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