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フェーズ別エンジニア組織の課題と採用手法まとめ

Findyでエンジニア組織づくりや採用を支援する事業に取り組む中で、様々な企業のフェーズ別の課題をお伺いする機会をいただきました。あらゆる職種での組織作りに共通していることですが、各フェーズで起きる課題感や対策などは再現性があることが多く、今後フェーズが変わっていく企業に向けて、参考情報の共有になればと思いnoteを書きました。

主に以下の整理とその解説を文章で書いていきたいと思います。

創業期(シード/シリーズA)

プロダクト立ち上げ期はPMFの実現とシステムの拡張からスタート

創業初期は自身も経験しましたが、とにかくお金がないので、少人数でプロダクト・マーケット・フィット(PMF)を確認して、売上の立つ可能性があるサービスかどうかの検証が必要となります。IoTや医療系など初期に大規模な資金調達を行うプロダクトであっても、その資金の範囲内でビジネスとしての可能性があるかどうかの検証を行う必要性があり、こちらもPMFが重要です。

初期はフルスタックの創業CTOやエンジニアが求められる

初期のCTOはおおよそフロントエンドからバックエンド、インフラまで全ての知識・経験をある程度持っており、まずはスピード感を持って作ることに長けている人が担う傾向が強いです。スピードを意識しないと会社そのものの継続が危ぶまれることが多いためです。

また、創業初期はそれほどたくさんのメンバーを採用できないこともあり、フリーランスの方などにも参画してもらいながら、担当範囲の広いメンバーにジョインしてもらうことが求めらます。

徐々にPMFが見えてくるとプロダクトの改善フェーズに入っていくため、バックエンドやフロントエンド、アプリ、インフラなどそのサービスを運営するのに欠かせないエンジニア経験があるメンバーの採用が加速します。

採用はリファラル中心にスタートし、徐々に媒体の活用を始める

この時期の採用はリファラルが中心です。スタートアップはフルスタックのエンジニアを採用したいけど、給料は決して高くはないという矛盾に満ちた組織作りになっています。その場合、ストックオプションや経営層は株式などを活用しながら、優秀なエンジニアに参加してもらえるかが大事になります。やはり、ここは創業メンバーがリファラルで採用する力があるかどうかが肝になってきます。

また、シリーズAで数億円程度の資金調達を完了した企業ではまずはWantedlyやGreenなど、全職種型の媒体からの活用が始まります。さらにエンジニア採用を強化するタイミングで、エンジニア特化型の媒体(Findyもここに入る)に挑戦していくケースが出てきます。

副業やフリーランスの採用が大事

また、同時に大事になってくるのは副業やフリーランスの採用です。まず前提としてシード/シリーズAの企業フェーズは余程の資金調達規模の企業を除いて、「候補者から人気がない」前提での採用活動が必要です。

そのため、大事になってくるのは副業など、ライトな関わり方で会社の中や成長性を知ってもらい、そこから参画を検討してもらうパターンです。Findyのサービス上でも最初は業務委託契約で副業から入って、タイミングが来たら正社員にという方も増えてきています。

また、ハイスキルあるいはカバー範囲の広いエンジニアの採用にはフリーランスとの契約も大事です。週5に拘らなければ、まだフェーズが進んでいない小さい企業でも優秀な方に参画いただけます。FindyもFindy Freelanceというサービスでマッチング支援をしているのでぜひご活用ください。

急成長期(シリーズB/シリーズC)

マネジメント体制づくりや専門職の採用が開始

シリーズBで5億円以上の資金調達が進むと、マネジメント体制づくりが始まり、また機械学習エンジニアやQAエンジニアなど専門職の採用が課題になります。まずマネジメントについては、CTOが数人〜10数人程度の組織をギリギリみれていたところから、一人一人のエンジニアメンバーに目が届かなくなるフェーズです。この時期になると、マネジメントもできるエンジニアリングマネージャーの採用が急務となってきます。技術面でもCTOが全てを判断する、あるいは社内を牽引していくことに限界が出てくるので、そこを代行するテックリードの需要も高まります。

また、プロダクトが成長しデータが蓄積されてきたことにより、データへの投資やプロダクト品質の向上からQAの重要性などが高まっていきます。このタイミングで、専門性の高いエンジニアの採用も始まっていきます。

エージェントやエンジニア専門の転職サービス活用強化

急成長期に入り、同時に人員の急拡大も求められます。リファラルも大事ですが、それだけに頼っていると組織の拡大が遅くなってしまいます。そこで大事になってくるのがエージェントなどの外部のパートナーの存在です。自社の組織の魅力や開発組織が取り組んでいること丁寧に伝えて、自社のファンであるエージェントを増やしていくのが大切です。

また、エンジニア専門の転職サービスの利用も加速していきます。エージェントは転職活動に好んで利用する方と、ダイレクトに企業と繋がれるサービスで転職したい方と両方がいます。やはり急拡大期だからこそ、あらゆる手段を用いて、エンジニアとの接点を増やしていくことが大事になっていきます。

採用広報への投資

シリーズB後半やCのフェーズになってくると、採用広報など長期的なエンジニア組織の成長を見据えた施策にも投資ができるようになってきます。テックブログや自社のエンジニア採用イベントなど、社内のメンバーを中心に技術組織の広報に力を入れる企業などが増えていきます。

ただし、採用広報については取り組みを開始してすぐに成果が出るものではなく、1年単位での投資を続けて初めて結果につながるものですので、焦らず続ける、無理のない範囲で続けることが大事です。

開発生産性が高い組織づくり

シリーズB/Cフェーズになってくるエンジニア組織も20人〜50人以上の規模になってくるので、生産性の向上が欠かせない取り組みになってきます。また、最近では生産性の高い会社に優秀なエンジニアが集まる傾向も出てきており、開発環境や生産性への投資は、同時に採用強化面でも重要になってきます。

Findyでは開発生産性の高い企業の可視化を目指して、Findy Team+ Awardなども開催しています。

安定成長期(上場前後)

更なる組織拡大やエンジニア独自の評価制度設計などが求められる

最近では上場前後になるとエンジニアだけで100名を超える組織に成長する会社も珍しくない状況になってきています。そうした中でエンジニア組織の採用や評価のアップデートなどを中心に担う存在としてVPoEのニーズが高まっていきます。また、採用強化に向けてエンジニア出身を中心にエンジニア組織専門の採用・人事担当なども配置する企業も増えてきています。

FindyのCTO/エンジニアリングマネージャー向けの調査でも独自の評価制度は採用競争力が上がるという調査結果も出ており、メガベンチャーへの大事なステップになってきます。

新規事業やプロダクト成長を担うPdM(プロダクトマネージャー)の採用強化

同時にPdMの採用ニーズも高まっていく傾向です。上場前後になると、すでに安定したビジネスの基盤がある中で、新しい事業を作っていくことを求められます。また、既存ビジネスも、機能拡張などで拡大していく中で、エンジニア出身のプロダクトマネージャーの需要も上がっていきます。

新卒エンジニアの採用開始

上場前後の組織ではさらに長期的な会社の成長に対する意識が高まってくるため、新卒の開始をする企業も増えていきます。また、中途で優秀なエンジニアも集まってきており、若手を育成する余力も増えてくる企業もあるのではないでしょうか。

ただし、新卒は採用開始から入社まで1年半から2年程度かかり、かつ入社後も育成期間があるので、あくまでも会社のカルチャーを作っていく投資を認識をした上で進めていきたいですね。

変革期(上場後)

メガベンチャーに向けて組織の大規模化

上場後に企業成長、時価総額向上ともに実現していく企業は、組織も大規模化していきます。すでに時価総額1000億円をこえて成長している企業はネット系でも1000~2000人位の従業員、エンジニアだけでも数百人在籍しているとこも出ていきています。

国内だけでは採用ニーズを満たせないため海外拠点の設立

数千人規模の組織を作っていく際に、年間に転職する人の数が限られる国内でだけではエンジニア採用ニーズを満たせないため、海外拠点を設立し、エンジニア採用を加速させていく企業も出てきます。

近年ではベトナムやフィリピンなどの東南アジアに加えて、インドなどに拠点を置く会社も出始めています。インドに大手企業の開発拠点は2000件以上あるとのことですが、日本企業はまだ数十社の規模で、こちらは伸び代がありそうです。

まとめ

以上、「フェーズ別エンジニア組織の課題と採用手法まとめ」いかがでしたでしょうか。また、市場トレンドなどもこちらでホワイトペーパーとして公開しています!

ちなみに大企業やメガベンチャーについては、上記にご紹介したことを全て、やりながらM&Aや研究開発拠点の設立、大手DX企業であれば、内製化の推進など、企業のこれまでのスタンスや実績によっても大きく変化していきます。(大手DX企業の取り組みはこちらでも紹介しています。「大企業500社と話して分かった、役員本気DX時代のデジタル組織づくり」)