からっぽ

２年前くらい、Puiを立ち上げて８年目の頃

世はコロ助（コロナ）が少しづつ
緩和され、街が動き出した頃で

私自身も久しぶりにPOPUPができた年に
なった。

今まで旅に出たり、
いろんなものをインプットして、


自分の感じた気持ちで色んな制作をしてた。
　

でも約2年間いつもできてたことは
できなくなった。

自分の中を掘り下げ？倒す日々が
はじまった時だった。

掘って、揉んで、理解して

意味も考える。




真逆の悩みの方が同じワンピースが着れて
それぞれの魅力がでるようにしたい。

不可能気味な事を叶えてみようと思った。

そしてできたワンピースは
ほんとに大満足だった。

それから久しぶりのPOPUP

初めての京都、福岡
久しぶりの東京での開催。

コロ助の中で出来る事は
全部つめこんだ。

気持ちを込めて作ったワンピースは
１番人気だった。



着てきてくださる方も多くて、

どんなに好きか、ワンピースがコンプレックスに寄り添ってくれる。と話してくださる方も
たくさんで、

私は毎日目が潤んだ。。





並行して秋冬の制作もして。
新しいプロダクトも作ったりしてたころ

そのあたりで自分の中で
不思議な事が起きた。

頭の中が無になる事なんて味わった事
1度もないのに

なんというか、何も考えれなくなって
本も映画も見ても何も頭の中を巡らない。

ちょっと疲れたのか？と思って
知らないふりをした。

でもなんだか感じた。

あ、私の中からもぅなんにもひらめかない？
生まれない気がする。

珍しく自分の事が、わからなくて


ほぅ？と思ってた。

そして海外渡航が解禁になり
私は焦るように思った。

今までのルーティンを取り戻してみたら

私の泉は湧くだろな。みたいな

そして、バルセロナ、パリに行きました。

久しぶりの飛行機。
ずいぶん話さなかった英語も少し話だし
、

頭の中がリフレッシュされた

パリについて１番に
必ず彼と参考に観に行く百貨店にいった。

周年の時で、もう館内も
ツールも何から何まで刺激的で

大興奮だった。

ボンマルシェ

いつもならメモ書いたり、
そのまま思いつきだして作ったりしだすのだけど

ふぁ！最高だった！ってなって、

あれ？なんで思わないんだろ？

作りたいってなぜならない...？

しかし私は、まだ足りないんだな。
と思った。

たくさん歩いて、いろんなものみて。
たのしくて。

でもモヤモヤする。

カフェに入って、好きな景色みながら
ラテ飲んでるのに

頭の中に何もない。

不思議だった。

これは、、なんなんだ？

撮影もvlogもする気だったのに
全然できない。

もう知らない..。普通に
楽しもう。

そう思ってから、素直に楽しかった。

何度パリにきてて、した事ないベタな事ないかなぁ？と思って、

あ！セーヌ川クルーズした事なくない？となり

船に乗り込んだ。

すぐ思った。

これからは毎回乗ろうって。

乗った瞬間からすごく好きだった。

そんな時にふと口からこぼれた

『はぁ、こんな何も考えてなくて、仕事してないの久しぶりだなぁ。』

そしたら彼が少し不満そうな顔で言った。

『こっち来てずっと考えてて、仕事してるやん』


『それでしてないなら、今までどうなってるん？めっちゃ大変やん、』と。

なんかいつもと違った強めな口調だった。

私言われた瞬間に涙が目から止まらなく
なってしまって

やっと自分で理解したの。

あぁ、私自分の中にあるもの
出し切って、今なんだか

からっぽなんだ。。

できない弱さを
認めるのが怖かったんだ。

だから焦って何か詰め込まないといけないって
思ってパリにきて

ずっと詰め込んでも詰め込んでも
なんにもならなくて

すごい物見るたびになんで、なんで
私はなぜいつもみたいにならない？ってなって


なんでずっとこんなに作れるんだろう。って思って。

からっぽになったことを
認めなかったんだなって。

彼からみたら、パリにいる私
必死だったんだなって。



そしたら頭の中にでてきた。

はぁ、もう私にはなんにもない。
なんにもなくなったんだ。

使い切ったんだ。

私の頭の中はそんなもんだったか…
お前にしては、よくやったって褒めてあげたら？

いつこのストックなくなるんだろうって不安
だったの自分で知ってたくせに

わからないフリしてたでしょ？

ほんとに

もう出ないんだ？ これでやりきった？
満足なんだ？

認めた瞬間に

プァァァァァっと頭の中に
情報が入りだして

あ、こんなワンピースいいな

ハートの水着でこんな型にしよ。

もぅ一瞬だったの笑。

おかえりって思った。

私疲れても、怖くても
できないって言わなかったし
認めなかったの今まで。

ゆいはできるやん！って思って
鉄壁のハートにしてただけで。

私の頭の中は誰にも奪えない。
邪魔させない。

なんかそんな感じだった。

それから2年がたって、10年目。

10年…そう思うと何回も手が震えたけど



この不安な気持ちを愛でてあげれるのは
私しかいない。

そう思うと、たのしみになった。

作りたい物がありすぎて
うわぁぁぁ！と溢れて

衝動だけじゃない作り方も知って

愛も知って

掘り下げる辛さも知って

からっぽになって。

弱さも知った。

なんだかすごい日々だった。

よく、ゆいさんみたいに
強くなりたい。

と言われる。

だから今回書いてみたの。

強くはなれるの。
鋼になれば

でも受け入れるのは、
鋼を剥がさなきゃならない。

ほんとは、
強い人なんていないと思う。

からっぽになって思ったこと。

今日はそんなお話。