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業務システム導入の教訓!DX推進者に贈る、業務システム導入の心得

本日は、中小企業で業務システムを導入する人に向けて、最近の私(SE出身、初業務システム導入)の失敗から言える気を付けるべきことをまとめてみました。

前に、しくじり先生って流行りましたが、まさに「業務システム導入のしくじり先生」としてもらえればと思います。


ちなみに、導入についてはこんな感じです。
・システムの構築期間は約1年ほど。
・最後の2,3カ月になってテストが始まる。
・最後の1カ月で要望はいっぱい出るし、修正は大変だし、スケジュールは押すしでマジ大変でした

(できるだけ)安かろう悪かろうのシステムにしないために気を付けること

正直、中小企業ってお金がない。
システム選定でも「安いから」という理由で導入を決めがちなのかな~と思います。ですが、本当にその選択は安いですか!?

その安さは、改修費は見込んでる?

結局、この価格が高い。
実際に開発を始めたら、追加・追加で何百、何千万も・・・。価格競争になるとココを削る業者さんもいるのでちゃんとチェック。
甘い営業トークに騙されないのはこちらの責任だよな。と思う今日この頃です。(もちろん言ってよね!って思いますが、向こうも商売ですので・・・)

(特にパッケージの場合)中のシステムの作りがイケてるか?

パッケージってそれがベースなので、やっぱりやれることがある程度限られます。そんな中で、カスタマイズしたいぞってときは元のシステムの作りが重要!!
きちんとしてる業者さんなら、データベースの作り・アプリの作り等拡張性が高いように作ってる。このパターンだと要望がいろいろ通るし、結果的に改修も少なく済む場合も。

名の通った業者さんでも、ふたを開けるとマジか・・・ってなったから、ここはとても重要。

確かにシステム系の仕事をしたことが無いと分かりにくいけど、非システム職経験者もこんなのあるよってのは知っておいた方が良い。

利用者負担が大きくて、人件費増になってない?

今まで知らなかったけど、中小企業で働くようになって「安いから入れる」って言葉をよく聞くようになった。やっぱりどこも経営が厳しいんですかね。予算を通すとき、相見積もりして一番安い所でって言われがち。

ただ、使い勝手が悪いシステムを導入すると、利用コストが大きくなることを覚えておくべき。と思うんですよね。

使い勝手が悪いと、
・マニュアル作成・整備が必要
・使い方が分からず、ミスや照会が発生
・利用者のストレス増
と、結局残業につながったり。
残業代=人件費がかかっていくと、誰もハッピーにならず本末転倒。

価格比較するときは、それによって運用面でどれだけ楽になるかも試算してから決定したほうが良い。

システム導入で大コケしないためには、要件定義が9割

要件定義がなあなあに決まるし、運用が決まってない

実際にシステム導入側を経験してわかったのは、思った以上に要件定義がなあなあに決まる。
・どんなシステムにしたらいいか
・どこに気を付けて要件を決めたらいいのか
の勘所が無い。(一緒に働いてみればそりゃ―そうだって思う)

知らない料理を作るのだって、最初は上手くいかないもんな・・・。

使って、はじめて要件が出てくる

テストで触ってみて、初めてアレコレやりたいことが出てくるなというのが所感。
改めて、ユーザー目線ではこれが当たり前って感じました。そりゃアジャイル開発が流行るわけです。

思っている以上に利用イメージができていないし、要件定義で要件を決め切らないといけないという意識はない。ポイントなのが、「利用イメージ」ってところ。「システムイメージ」じゃないんです。

実際に使うイメージをしてくださいねって誰も言ってくれないけど、超重要です。

ちなみに、「それはいったん後で考えよう」はよく出るワード
更に、システム会社側はふわっとしか説明しないと、使う側もまだこれからでいいよねと後回しになる悪循環もあったり。(もしかすると修正しないようにするためのベンダー側の罠なのかもしれない・・・)

「利用イメージ」をしてから、要件検討をする

利用イメージをして、どんなものが欲しいのか明確にするのは導入側の責任です。

買い物するときに、「なんかいいもの欲しい!」って言って店員さんに勧められたものを買ってから、「やっぱ違うのが良い・・・」ていうのは違和感あると思うんです。これと一緒です。

もちろん、ココは業者さんの力量によって、フォローを入れてもらいたいし、どれだけ良いシステムができるかが変わると思う。
ただ、あくまで主体は導入側だし、そういう業者さんを選ばないといけない。(のちに鉄則を記載します。)

要件を決めるのがほぼゴール。システム作りのゴールは意外と近い

要件を決めた後は、まず変更は無理と思ったほうが良いです。

なので、業務側としてはこのタイミングで運用まで決めないと、後からはどうしよもないのだということを知っておいた方が良いと思う。だから、業者選定前・要件検討中の2回が重要な勝負です。

簡易修正はできるけど、システムの根幹に関わる修正は難しいんですよね。ここは、元開発者としてしょうがないなって思います。

やったとしても、無理やり作りこんだりするのでメンテが大変(=お金がかかる)、中途半端な使い勝手にリスクは高いからメリットはあまりないんです。

ベンダーを選ぶなら、これが鉄則

要件定義をしっかりしてくれる・フォローしてくれる業者さんを選ぶべし

開発者だった身としても、優秀なマネージャーはここを抑えてくれると思ってる。ベンダーの力量が見えるところ。

特に運用周りもここでしっかり押さえている業者さんは優秀。手放しちゃダメです。
特にウォーターフォール開発では。動くものを見て要件を決めたいなら、アジャイル開発を選びましょう。ただし、アジャイルだとしても要件を決めるところが重要なのは変わらないです。

非機能の事もしっかり気にしてくれる業者さんを選ぶべし

昨今重要性が叫ばれているセキュリティや、性能、システムの構成などは非機能要件と言って業者さんでもできる人・できない人が大きく分かれるところ。
でも、ここがしっかりできてないと、あれこれ問題が出る

実は、
・個人情報に誰でもアクセスできてた
・監査で過去の状況が確認したいのにログが残ってない
・めちゃくちゃ遅すぎて、仕事が全然進まない
とか起きる。(本当にあるから笑えないです・・・)

とりあえず分からなくても、「非機能とかってどうなってます?」って聞いて反応を見て!って勧めたいほど重要。

SE出身だから、できたんじゃない?と思う後悔

最後に、私の反省で締めくくります。(興味のない人は飛ばしちゃってくださいね)

転職したてのシステム導入・自部署の所管ではないということで、日和って言ったほうが良いことを言えなかった・・・
この点が私の大きな失敗でした。

もっとイケてるシステム作れたはずなのに・・・!
(空気に飲まれて言いたいこといえてないだけかもしれないので、ITに詳しい転職者がいたら相談してみてほしい。)

気になったときに、気になった点をしっかり確認する。
この初動が本当に大切だったと思い知らされました。

本当に基本が大事です。

次回に向けては、「要件検討は重要だよ」を業務担当側にしっかりと説明する。
要件検討はシステムの要。
ほんっとうにここが9割を占めるといっても過言ではないよってくらいを伝えたい。SEの経験上もこれは自信を持って言えるので、もっと伝える努力をするべきだった。
次回は必ず伝えるぞ!!

最後までこの長文を読んでくださりありがとうございます。
あなたのシステム導入が成功しますように!


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