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歴史を歩き直す

旧道巡りが好きです。
細く鬱蒼とした未舗装の道を歩いていると、この道を開拓したのはどういう人だったんだろうかとか、この道の両側もしくはこの道自体に、いったいいくつもの人々の人生があふれていたのだろうと、しばし思いを馳せるのが好きです。そうすると、瞬時に心は大昔にトリップできます。
時折、誰かの気配がして振り返るのですが、誰もいない…という(オカルト)。

旧羽州街道(旧国道ではなく)を辿ってみるのも面白いです。
歴史ガイドさんの説明ありの集団行動はできなくても、残された書物(やネット情報)で調べて、自分が住んでいる地域を歩いてみるのも、ひとつの旅なんだろーなーと思って、付近を散策しています。
永遠の漂流者、と言えば芭蕉を思い出しますが、自分が現在住んでいるところの近くには、江戸時代の国学者・紀行家である菅江真澄の墓があります(徒歩約3分)。
その前の道は旧羽州街道で、古四王神社に真っ直ぐ通ずる参道に重なっています。
途中には伝説の多い「伽羅橋」が架かっていたり(写真中央。現在は石橋となっています)、馬つなぎ石(写真右側の空き地。馬を洗ったりしていたそうです)があったり、お地蔵さんが鎮座していたり(橋を渡ってすぐ左)、空き地の至るところに家屋跡とおぼしき遺構があったり・・・ほんの数十メートル歩いただけでも、かつての生活の名残りがあって、様々な人々の営みの息吹を感じます。
たとえそこに残された街道跡や廃墟が残っていなくても、細く未舗装の道の、木々の茂みが割れ光が差し込む隙間などからも先人たちの営みを想像することができます。

桜や藤の花など、花々もひっそりと咲いていて、この一角だけ秋田市中心部(北部ですかね…)とは思えないくらいの趣き。
当たり前のことなんですが、旧道は、次の町へ至る最短距離のことが多いんですよね。今の新しい道は、民家を避けた迂回路ですから。
細くて車で通過することは難しい道もありますが、近くに車を停めて歩いてみたいなぁと思う場所は沢山あります。

フェイスブックで「#7日間ブックカバーチャレンジ」をしており、同じくチャレンジしている仲間が紹介していた本『遊歩大全』(コリン・フレッチャー著、ヤマケイ文庫)にコメントを返し合って思い至ったことは・・・
「いつかきっと、君の住む道に会いに行こう。」
想像はどこまでも駆け巡る。

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