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Something that never ended (終わらなかった何か)

今年の夏も恒例でUSオープン観戦です。試合のブレイク中コマーシャルが入るのですが、期間中2週間は同じコマーシャルを何回も観ることになります。その中で一つだけ、ハッと心に響いて思わずテレビ画面に釘付けになるコマーシャルがあります。凪が静かに波立ち、規則的なうねりがだんだん広がっていくような音楽です。女性の美しい背中が官能的に現れ、一瞬こちらを振り向きそうな横顔、そして金色に光る水の表面と香水のボトルが現れて、 J’Adore。Diorの香水のコマーシャルでした。一瞬映る美しい女性はシャーリーズセロン、クレオパトラにインスパイアされた金色の現代遊牧民、 J’Adore Dior の香水が初回発売された1999年より継続するアンバサダーです。Youtubeで1分フルバージョンが観れますが、30秒バージョンは絶妙に研いで磨いたような美しいバージョンだと思いました。もうちょっと観たいという欲望が残るのが良いのでしょう。

9月のこの時期はもう一つの大きなイベントがあります。ニューヨークファッションウイークです。ニューヨークのあちこちに広がるイベント会場に、世界中からファッション業界の人々が大勢集まります。私は2000年から2014年までニューヨークでファッション業界のメゾンにスカーフを提案し、生産販売していました。ファッションランウエイで華やかにお披露目されるメゾンの作品たちが、どのように何年も前から時間をかけて作り上げられるか、感じるだけで、今も胸が熱くなります。
2015年から就任したグッチのクリエイティブディレクター、アレッサンドロ・ミケーレの仕事はクラシックとモダンの複合、ふんだんな装飾性をバランスよく削って、娯楽性も付け加えるなどの鬼才かマジシャンか。グッチブランドを成功に導いている彼は、今私の中でとても刺激を受けている一人です。

テニスに戻って、イタリアのテニス選手ヤニーク シナー、最近の私のお気に入りの選手です。洗練されたクールなハンサム21歳。グッチのアンバサダーとしてモデルもしています。先日準々決勝で、5時間強の試合で対戦相手のスペインのカルロス アルカラス選手に惜しくも敗退しました。でもこの試合は歴史に残るぐらいの稀にない質の高い試合です。これから10年、新世代のテニスが私たちを楽しませてくれるのでしょう。

されど20年選手たち、ノバク ジョコビッチもラファエル ナダルのトップキャリアも健在です。シャーリーズセロンも24年間のJ’Adore Dior のミューズ、美貌は磨きがかかります。20年というものはマジックではありません。1日1日の地道な努力の積み重ねだったのでしょう。強い信念の持ち主達、素晴らしいです。

Something that never ended (終わらなかった何か)
1日1日の地道な努力を続けることは誰にでもできます。その継続とは何かが無くなることと、何かが生まれることが含まれます。そして終わらなかった何かとが一緒にまた続いて行くのです。

今月はグッチのストーリーでもあるSomething that never ended (終わらなかった何か)に影響を受けたスカーフを作ってみました。
どうぞよろしくお願い申し上げます。

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