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【短歌+】イージーモード

イージーなモードで始めた人生の電気を消して見上げた星星



小さいときは気付かなかったけれど、普通に愛されて育ったことを、今は感じられます。

でも、それが「普通」のことであるがゆえ、「普通でない」ということと比較しないと、その普通が「特別」であることがわからないものです。

なのでね、思春期以降に、いかに自分が「足りない」かの証明をしちゃってたんです。周りと比べて、あれが足りない、これが足りないと、必死でかき集めて、ほらね、こんなに足りない自分は、世界に愛されていないのだと。

全くもって、イージーな生い立ちだというのに。

で、その証明の旅の途中で気付くんですよね。何かや誰かと出逢って、そして別れて。もしかして自分の人生って、そんなにハードではないのかも。そんなに、クヨクヨしなくてもいいのかもって。

あまりに普通に明るかったから、自分が輝いていることが、わからなかった。その電気を消したら、暗い空には星がたくさん輝いていて、その中に自分もいたということを、知ることができた。

一見この、コスパもタイパも良くない人生というものは、その効率の悪さこそが醍醐味なんだと思うのです。それを体感できたら、あとは回収作業に入ります。あのときのあれはこれだし、あのやつは、ここ、みたいに次々と。

たぶん、いまやってくるものも、いつか回収される。こんどは早いサイクルで。

それがぼくが見つけた、いまのところの宝物だと思います。




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