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毎日超短話233「心を開いて」

小洒落たカフェで恋人とケンカして、勢いよく飛び出したものの、自動ドアが反応しない。仕方がないので、席に戻る。

「開かないんだけど」と、八つ当たりする。
「俺に言われても」と恋人はムッとしながら、自動ドアのほうへ行き、やがて戻ってくる。

「開かないんだけど」
「だよね!」 

と言い合ったとき、メニューの片隅の注意書きと目が合う。

※なお、当店の自動ドアは、心を開かないと空きませんので、ご注意ください。

「デザートでも食べる?」と恋人が言う。

まったく。

簡単に心が開いちゃったじゃないか。

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