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毎日超短話121「みぞれ」

空から降ってくる、みぞれのひと粒が、耳元を通り過ぎる瞬間に言った。

「もうちょっとで雪になれたのになー」

その言い方が、じんわり暖かい。

「そりゃあ、雪にはなれないよね」と笑うと、みぞれはぼくの肩で水になった。

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