2016年3月の記事一覧
月明かりに照らされて
親友だと思っているその人を思い出すとき、
まず浮かんでくるのはいつも同じ場面だ。
彼のとびきりなバカらしさじゃなく、
デリカシーなくズカズカと入ってくるその明るさじゃなく、
彼の後ろ姿だ。
十年ほど前、北海道で仕事をしていたぼくは、壁の薄い独身寮の部屋に住んでいた。
となりが彼の部屋だ。
夜、眠るころになると、彼は壁をノックしてきて「寝た？」と聞いてきたりする。
「修学旅行か！」と答えてノッ
戦争と平和とほんげーとぼみゃー
「戦争っていう言葉の意味がわからない時代がくればいいなと思います」
ある戦争映画に出演した俳優が、
映画について
そんなふうにコメントしていた。
確かに言葉の意味がわからなくなるくらいになったら、
それは平和な状態なんだろうと思うのと同時に
でも、意味は忘れてはいけない、ともぼくは思う。
それは以前、こんな言葉を聞いたからだ。
「戦争を忘れてはいけない。忘れればまた人は、始めてしまうからだ
それが本当であっても、言葉を大事にする自分でありたい。
親しい人との会話の中で、
「死ねばいい」とか「バカ」とか言うことがある。
それはふざけながらとか、
何かに同調してほしいとか、
そういう類のものだ。
おそらく誰しもそういうふうに分かり合える誰かと、
「何か」に対して攻撃的な言葉を発することで
心の秩序を保っていたりするんじゃないだろうか。
関係性を保った上での言葉は、流れていくことができる。
それでもときどき争いは起きる。
言葉は「間違