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日々と世界を思う文章とか2016.1~

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日々の思いと発見を綴った文章とかです。
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2016年1月の記事一覧

迷っている人のほうが好きだ。

自分たちの世代はもっと個性があった。
今の選手は上手いけど、気持ちが見えない。

スポーツ選手のインタビュー記事で、
こういう言葉を見かけることがある。

そのたび思うのは、
これって、「ベテラン」と呼ばれる世代になると、
下の世代に毎回言ってない? ってことだ。

自分たちも若いときに「個性がない」と言われ、
自分が若くなくなったら、さらに下の世代に同じことを言う。

じゃあ、もう何世代も遡った

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パスカルの賭けと、母の強さ。

「神がいることに賭けよ」

と、フランスの哲学者、ブレーズ・パスカルは言った。

神様が存在するかどうか賭けるとしたら、
いるほうに賭けるか、いないほうに賭けるか。─

朝の占いが好きじゃない。

別に信じてるとかいうわけじゃないけれど
朝から順位を決められると
なんだか気分が良くない。

いいときもある、
悪いときもある、
ある程度生きていれば
それは普通のことだと
わかる。

朝の寝ぼけた頭に

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勇気の残像

財布や携帯を持つようになってから
なんどか考えてしまうことがある。

たとえば、子どもが川に流されているような場面に遭遇したとして、
迷わずその子を助けに川に入るだろうか、と。

助けようと思ったとして
まずポケットに入っている
財布や携帯を律儀にその場に置くんじゃないか。

でも、その置き去りにした財布や携帯を
誰かに盗まれるかもしれない。

とか考えているうちに
子どもを助けるのを躊躇してしま

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幸せの確率

「しあわせかい?」

幸せですと答えておくれ、というような顔で
ツマが問いかける。
片手にティーカップを持ちながら。

「あ、お、おぅ」

ぼくはツマの要求に、すぐには答えられない。
なぜなら唐突だからだ。
幸せかどうかを考える流れの会話をしていたわけでもない。

「しあわせかい?」

言ってくれるまで聞くぞ、
みたいな顔でツマはおなじセリフを続ける。

「しあわせっていうのはさぁ、突然聞かれても

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子どもがいないと、大人は傲慢になる

高齢化社会になって困るのは、
国の都合くらいなものだ、と少し前まで思っていた。

労働人口が減って、国自体の体力が落ちる。
様々な仕事の人材不足、技術の伝承不足、
先進国として存続するために、人口減少は死活問題だ。

というような具合に。

年金制度も危うくなるのだろうし
それなりに「今、生きているぼくら」にも
影響はある。

でも、世界の人口は多すぎるのだから、
それに、日本という狭い国の中に1

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非日常は知らん顔で

雪が降った。

と書いてしまうのは、雪が降ることが日常ではないからだ。

その非日常にわくわくしていたのは子どものときくらいで
雪が降ることが非日常なのに、大人の今はわくわくしない。

仕事じゃなかったらわくわくしただろうか。
いや、きっと「外に出られないなあ」と
窓を眺めて思っただろう。

非日常にわくわくできるのは
賞味期限があるのだろうか。

そう考えながら、いつもは車で通る道を歩いた。

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縁は「ゆかり」とも読む。

紫の ひともとゆゑに 武蔵野の 草はみながら あはれとぞ見る

古今和歌集の一首。

”一本の紫草のために、武蔵野のすべての草花がいとおしい”

これは作者(不明)が自分の愛する人に贈った歌のようで
その本当の意味は、

”たった一人のいとおしい人のために、
その人と縁のある人々までもいとおしく思う”

ということなのだそうだ。

誤解をおそれずに言えば
ぼくはツマのことが、「四六時中も好きと言っ

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SMAPと平和

父親と二人で何かを話そうと思っても、何を話していいかわからず気まずくなったりする。

でもそこに母親がいると、話すことも容易い。

誰かと誰かの中間地点に誰かがいることで
うまく成り立つ関係っていうのがある。

そういうことは家族以外でもある。
ふたりだと話しにくいけど、二人以上だと妙に盛り上がったり、というようなこと。

ふたりだと話せない人のことが嫌なわけではなく、
なんというか二人でいるとき

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何事

仕事の休憩中、同僚(10才年上)と最近の世界情勢の話になった。

「そろそろ世界やばいね」と彼はいい、「うん、確実にやばいね」と僕は答える。

テロやら異常気象やら、ほんとうにこの先どうなってしまうのかわからない、
だから好きなことやっておいたほうがいい、そんな話だ。

「でもそれ、ノストラダムスの予言のときもそういう感じじゃなかった?」
と僕が聞く。

「あー、確かに。だからあの時も好きなことし

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青空

年末の番組でビートたけしが、
「嫉妬する人物」の一人として、甲本ヒロトを挙げていた。

曰く、自分がやりたかったことはこういうことだったのかもしれないと
思っていたようで、ヒロトの「不良になりきれない不良」という感じに
嫉妬するのだそうだ。

中学生のときに、もう亡くなっていた尾崎豊に陶酔して
高校生のときに、もうブルーハーツを解散して、THE HIGH-LOWSになっていたヒロトを知り、
薬師寺

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