【寄稿】セールスフォース ダイバーシティ&インクルージョンの嘘 12年も未達の障害者雇用率、「合理的配慮」訴訟起こされかん口令…
MyNewsJapanで、私と編集長の渡邊で総力をあげてセールスフォースの障害者雇用訴訟の詳細を約1万5000字で出しました。15年間のうち12年も雇用率が未達だったデータ(払った納付金の額付きで)、訴訟に至った問題の上司の実名と顔写真を公開。有料部分に訴状、和解に至った経緯を入れています。
合理的配慮の失敗のケーススタディとしても参考に。
しかし、セールスフォースの取材していて、一般雇用で年収1500万円のマネージャークラスの人と、障害者雇用で年収420万円のバックオフィス職の人で、解雇・雇い止めリスクがさほど変わらないように感じていました。
酷なことですが、リストラに遭った場合、前者は転職していけましたが、後者はそうではありません。再就職先が見つからず、長期失業、貧困、心身の症状悪化に陥っています。日本の障害者雇用促進法や労働法を理解しない外資が、障害者を健常者と同じ感覚でリストラすると、障害者は健常者以上に深い傷を負ってしまうのです。
「多くの人が、あの退職合意書に言われるままにサインをして退社しているのかと思うと、恐ろしいです。障害者にとっては、特に恐ろしいです。『私は障害特性で判断するまでに時間がかかってしまうので、待ってほしい』とお願いしても、会社側弁護士は説明もなく、早くサインするように何度もメールで急かしたり、障害に配慮がなく、とても脅迫的でした」(原告)
日本企業の障害者雇用契約が年収100万~200万円のワーキングプアにとどまるなか、そこから脱出できる2~3倍の年収をセールスフォースが示しています。年収420万円は障害者雇用としては破格の年俸です。しかし、合理的配慮を理解しない上司が放置された状態で、つまりパフォーマンスをあげるのが難しく、外資で健常者の場面でも見られてきたのと同様の雇用リスクが、年収420万円の障害者雇用契約に含まれるのであれば、雇用の質としてどうでしょうか。
これは、ちょっと腕に自信のある障害者の「平等な(同一価値労働・同一賃金の)キャリア・対価が欲しい」という心に付け込んでいるようだ(そして何かあれば「リストラ覚悟で入ったんだろ?」と切り捨て)という点で、ひどく搾取的。私は「やりがい搾取」の変種の「ダイバーシティ搾取」と呼びたい。
こうしたことは、セールスフォースだけでなく、他の外資でも起きているはずです。
【情報提供の呼びかけ】
セールスフォースをはじめ各社において、障害者の雇用について、ご見識のある方は情報提供お待ちしております。些細なことでも受け付けます。情報提供者保護を強化しております。実名・匿名どちらも可です。hasets2015@gmail.com にお願いします。
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