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「直感」文学 *マイホーム*

 コンビニのお姉さんにそう伝えると、彼女は意図も簡単にダンボールをくれた。
「なに作るの?」
「秘密基地!」
僕はそう言いながらも、高ぶる気持ちを抑えていた。だけど、弟のスグルは少し体を揺らしながら、その気持ちを抑えられないようで、終始笑みを絶やさなかった。
「秘密基地?すごいねー」
お姉さんは笑いながらそう言った。

 昨日、テレビで家を綺麗にする(リフォーム?って言うみたい)番組を見た。
 汚く狭かった家が、随分とカッコイイ家に変わるその過程に、僕は強く惹かれ、家を自分でも作ってみたいって思った。だけどなにがなんだか分からないし、それはきっとそう簡単なことじゃない。だからダンボールハウス!僕たち兄弟二人だけの家だ。

「お兄ちゃん!僕はどうすればいい?僕たちのおうちー!」
スグルはガムテープを片手に持ったまま、楽しそうに言葉を発した。
「よし!じゃあ、まずはここをハサミで切って、こことここを繋げよう!」
平たく潰されたダンボールが積み上げられている内の一つに、僕は手をかけた。

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