「直感」文学 *白い息は何を示した?*
マグカップに注がれたコーヒーから湯気がたち、それらは瞬く間に消えていってしまった。
寒空が続く冬の朝、どこまでもグレーな色が続いている。
私は体を震わせて、口からは白い息が漏れた。
窓に付いた水滴は、何を示し、何を与えてくれるのだろうか。
そう思っても、与えてくれるものなんて何一つなくて、私はただその場所で静かに息を潜めているだけに過ぎない。
「冬はあとどれくらいで終わるだろうか」
不意に漏れた言葉に、どんな意図があるのか、私はよく分かっていない。
そして、
あの人はいつ帰って来るだろうか。
私の元を去っていった、大好きだったあの人は。
*********************
アマゾンKindleで各種電子書籍の販売をしています。↓
https://furumachi.link/kindle/
その他短編小説はこちら↓
■古びた町の本屋さん
https://furumachi.link
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?