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「直感」文学 *雨が降る。*

 49歳。
 今日、俺はおじさんになったように思う。「おじさん」という響きがそぐわなかったそれまでに比べれば、ずっとしっくりくるその言葉が今では財産のように感じられた。

 昔、まだ20歳そこそこの年齢の時に、一時おじさんに憧れた時期がないこともない。
 格好良いおじさんに憧れてウイスキーを頑張って飲んでみたり、大雑把なヒゲを伸ばしてみたりしたけれど、当時の自分には到底似合うものではなかった。それはただ必死に”若い”という枠を飛び出ようとしたけれど失敗する”若造”に他ならない。

 あ、おじさんになった。
 という感覚はどこからやってきたのだろう。何を持って自分をおじさんと認定するのだろうか。ただ一つ成長の過程を踏んだという喜びは間違いなく感じられた。
 やっと「おじさん」になれたのだ。それは若さを失ったのではなく、若さから一歩進んだのではないかと思う。

 俺は今日から「おじさん」として生きていく。

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