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「直感」文学 *イメージが生み出す、本の世界*

 「本ってあまり好きじゃないんだ。だってあれはただ活字を目で追うだけで、疲労以外には何も得られないだろう?世の中の人がなんであんなに本を読むのか俺には分からないよ。一体何がどうなっているんだ?」

 コウヘイは本を読んでいた私に向かってそのように口にした。

 彼が本を読まない事も、やたらと毛嫌いしている事も、もうずっと前から知っている。

 だけど改めてこう言葉にして聞くと、彼のその揺るぎない信念のようなものを改めて感じたりするのだった。

 「ただ活字を追いかけるだけじゃないわ。楽しいのは本の中にある知識や非現実の世界観だと思うけれど……」

 コウヘイは首を傾げる。まるで私が彼に通じない言語を話しているみたいに。

 

 「……イメージの問題かな?」

 しばらくしてから、彼はそう口にした。

 「イメージ?」

 「だから、イメージができないんだ、俺の場合は。だから活字だけの……、その世界観ってのが分からない」

 少しだけ哀れに彼が見えた。別に本なんて読まなくてもいいじゃない、と言いたい気持ちもあったけれど、私は彼にも本が持つ楽しさを知って欲しいと思った。だから言えなかった。

 私は本が好きだから。ただそれだけの理由で。

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スマホと読書。
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