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「直感」文学 *雪が降ったその日の想い。*

 雪が降った。

 去年、いや、一昨年も降らなかったはずだから、雪を見るのは随分と久し振りだった。

 私にとっては雪が降ったところで嬉しいという感慨は別にないし、今日は休みだから仕事に行くこともないから、嫌、ということもない。

 どちらでもいい。

 なんて思っていると、自分がもう随分と大人になってしまったんだな、なんて感じたりしていた。

 昔はもっと純粋に喜べたような気がしたけど、それももうあまり覚えてはいない。

 それでも、積もり始めたまだ足跡一つないその雪を見ていると、私は少し優しくなれるような気がした。

 だから私は、昨日喧嘩したトオルに連絡してみようかと思った。

 「ねえ、雪だるまでも作ろうよ。」

 なんて口実を使ったりして。

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