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高2総合学習:プロジェクトイスラム(1)

2022年度後半にどうしてもやりたかった授業は「プロジェクトイスラム」。日本人にとって、イスラムというのは馴染みがありません。仏教やキリスト教と比べると信仰している人の人数が日本では少ないのと、日本史の中でほとんど出てこないからでしょう。

ムスリマとの出会い

わたし自身も、ムスリムの知り合いと言えば、出産の時に同室だった女性くらいでした。次男の出産の時、産院で隣に座っていたのは全身黒づくめ、目だけが出ている女性でした。かなり大柄な方で、最初おっかなびっくりでした。ある時、医者が慌てて出てきて「江藤さん、確か先生でしたよね!通訳してもらえませんか?」英語とは言っていなかったはずですが、先生も慌てたのでしょう。

かくして、出産当日まで時々彼女のために通訳をしました。聡明な彼女は大阪大学で学ぶエンジニアで、中国で一人、日本で一人を出産ということでした。意外だったのは、病室のカーテン内に入れてもらった時。ピンクのチェックのパジャマの可愛いエジプト人女性が座っていました。さらに、彼女は折り紙がとても上手で、複雑な幾何学模様を折ってくれました。今考えると、イスラム文様と何か通じるところがあったのかもしれません。ハラル かどうかなどよく聞かれましたが、わたしは訳してあげることしかできず、その時は大変だなあと思った程度でした。

プロジェクトイスラム Day 1

さて、その8年後。とにかくイスラムを授業のテーマに持ってきた以上、学ばないといけないということで、紀伊国屋書店に行って本を買い込んできました。最初に読んだのは、こちら。

この本のいいところは、とにかく授業実践が細かく書いてあることです。その中から、とにかく一つ選んでやってみることにしました。世界史がかつて大の得意だったとはいえ、イスラム文化も忘却の彼方。。。無謀でしたがやるしかありません。

また、仙台の多々良先生にもお話を聞きました。こういう時、Facebook友達ほどありがたいものはありません。お話の中で、新学習指導要領では現代の事象と絡めながら歴史を学んでいくこと、歴史総合の教科書を紹介してもらいました。読んでみましたが、なかなか頭に入りません。

走りながら考える

専門家には敵わないので、行動に移し、生徒と一緒に学ぼうと腹を括りました。ちょうど生徒にとっても世界史のテスト範囲。一石二鳥です。

これはどこの国?

出だしはこんな感じ。著作権の関係で教室で使ったものは出せないのですが、タイのドナルドマクドナルドが手を合わせています。最初はイスラムと関係なくスタート。

世界中のマクドナルド

次に、世界中のマクドナルドを図にまとめたものを使い、同じところや違うところをまとめます。ずいぶんとお国柄が出ますね。クリックするとお借りしたサイトへ飛ぶことができます。

The Cultural Marketer | How McDonald's Achieves Brand Success Through Cultural Adaptability

どこの国?なぜそう思う?

写真を一枚見て、生徒はどう考えたでしょうか。いろんな国が出ていました。

https://insideretail.asia/2017/07/05/mcdonalds-malaysia-aiming-for-450-restaurants/

マクドナルドが砂時計?

この砂時計は何を表しているでしょうか。実は、ラマダンの間、食べ物のCM
は放送できないとのことで、これを作ったのだそうです。

データが表すイスラム

実はイスラム人口は驚くほど多いのですが、みなさんはどう思われますか?生徒は仮説を立ててからその理由を考え、実際のところどうなのか調べます。意外と多くて驚いたようです。

さいごに

4)ではイメージする絵を書かせたのですが、驚いたことに牛の絵もちらほら。そしてやはり銃を持った人の姿もありました。この授業ではまず学びの素地を作ることが目的。なんだろう?と思い始めたのは間違いありません。ちなみにこの日はわたしが欠勤だったため、ここまで手厚くプリントにしましたが、もう少し手抜きでも十分。授業内容は上記の本を参考にしているので、興味のある方は手に取ってみてくださいね。

オーガニックラーニングでは年間を通して様々な講座やワークショップをしています。いつかお会いできるのを楽しみにしています。



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