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全部コロナのせいじゃない。

可愛らしくそのせいにするのは簡単だし、気分も楽。だから、「ぜーんぶコロナのせい!」と次男が言ったりするとすごく微笑ましい。だけど、実際は全然違う。そのせいではなく、いい面も悪い面も増幅されているにすぎない。

ミクロの世界で起こっていること

コロナウイルスは肥満と相性が悪い。この記事によると、その関連性が明白になったとか。

CDCは報告書で、「糖尿病や慢性肺疾患、心疾患などの基礎疾患を持った人は、そうでない人より、新型コロナで重症化するリスクが大きいように思われる」と結論づけている。糖尿病や心血管疾患は肥満が原因となる場合が多い。CDCは以前から新型コロナの感染で重症になりやすい要因の1つとして肥満を挙げているが、今回のデータで肥満と重症化の関連がより一層明白になった格好だ。

なんの既往症のない方も感染しているとはいえ、データが示すのは既往症との関連です。

つまり、たまたまウイルスが付着し、喉や目にから侵入した人がかかるのではなく、既往症があると重症化のリスクが高まるということ。

家族関係の中で考えてみる

もし、収入が半減したら…誰しも不安になるでしょう。実際にお金という血の流れが悪くなったとき、家族関係が悪化することが考えられます。最悪の場合、離婚などということも。

それは、お金だけの問題ではなく、家族間に元々あった問題が増幅されたにすぎません。固い絆で結ばれていれば、伴侶の収入が半減しようとなんだろうと知恵を絞り行動に移して解決するはずです。

教育の分野で言うと?

現在学校間の取り組みの格差が広がっています。友人の子が通う大学附属校では、なんの混乱もなく高校生のオンライン授業(非同期・同期)が行われています。一方で我が子の通う公立の小中では入学式以来音沙汰なしです。保護者としては、「何もできないなら気にかけてくれるメッセージだけでも欲しい」と言う心持ちです。

一昨日朝晩2つの先生方のグループとお話ししましたが、それぞれの悩みはいろいろ。

こちらは非常勤講師の先生方の悩みです。

・Google Classroomで返却する際、再提出させるべきか
・小テストをしてみたいが、カンニングが心配でどうすればいいか
・やるべきことはシラバス上大量にあるが全て動画作成するのか
・提出物がない生徒には非常勤講師からでも連絡をとってやらせるべきか
・教材作りの時間が捻出できず困っている

いくつかアドバイスさせていただきました。

・4月で人間関係の構築を大事にしたいなら、小さなことでも褒めて「もっとやってみたい」と思ってもらえるような関係をネットで作っていくこと。
・小テストで評価すると言う考えをやめ、むしろ満点が取れるまで何度もトライしたいように持っていくといい。
・50分の授業で自分が一番伝えたいことを10分にするなら?と言う視点で考えること
・提出物が揃わなくても不安に思う必要はないし、Classroomに参加できない生徒は担任が把握すればいい
・元々かなり無理をしていたと思うので、YouTubeで使えそうなもので代用すればOK(ただし最後までちゃんと視聴してから)

これは全て元の授業デザインや仕事のやり方に起因するものです。いい面も悪い面もこの状況に置いて増幅される。いい面でいうと、この先生方は元々互いに助け合う関係性ができていて、この状況下にあってそれが発揮されていることでしょう。

マクロで見た世界

アメリカでは死者が4万人を突破しました。その最中で起こっているのが、ロックダウンに対してのデモ活動です。

この記事だけでは分かりませんが、動画で実際の様子を見るとかつて本田勝一氏が著書、アメリカ合州国で書いた “アメリカという国家は、それぞれの人種(衆)が溶け合って一つの社会を築いているとは言い難い。人種(衆)は分離され不平等なままである。単に州が寄り集まっただけである。”と言う言葉が重く突き刺さります。

デモの大半がいわゆるPoor Whiteで、トランプ政権の支持者。実際にトランプ大統領もこの動きを支持するような言い方です。全部コロナのせいだ!とは言い難く、元々あった病巣が炙り出されてしまいました。

さいごに

有名なジャレド·ダイアモンド「銃·病原菌·鉄」の元ネタとされる、マクニールの「疫病と世界史」と言う本があります。結局は人間と感染症が許容できるレベルで共存するようになるしかなく、それは感染症が広がって普通になってしまうことを説いています。このパンデミックのさなかにあると、あまりにもリアルで恐ろしいのですが読み返したくなりました。

今、教育分野にいるので、どうしても学校間格差やオンライン云々の話に目が行ってしまいます。けれども、結局全ての問題が増幅されたにすぎません。わたしが今できることは何なのか。

Google Classroomなど、オンラインの学びの普及と同時に、学びの中心は誰なのか、何のための学校なのかと言う原点回帰を布教することなのかもしれません。どさくさに紛れて、生徒を学びの中心に戻したい。


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