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35人学級でも個別の学びを個々の進度で行う方法(5)プロジェクトとの兼ね合い

前回のブログでは、生徒が「選ぶ」ことの大切さと、「回す」手法についてお伝えしました。Facebookでシェアすると、こんなコメントをいただきました。

Station Learning面白いですね!
実は部活動で、人数が多い年度なんかは、Lotationで3つのメニューを行うことはやっていたんです。授業と繋がっていませんでした。

意外とやってるんです。思い切って授業で取り入れれば、生徒は部活ですでに体験していたりするのであっさりできたりします。

さて、授業ではミニプロジェクトを多くやっていて、一斉授業やドリル的なことはほぼしていません。かと言って、教科書や模擬試験でも点数が取れるのはなぜか。それこそ生徒主導で進めているからなんです。

英語の授業を3年間受けて身についた力とは

生徒の卒業前最後の授業でアンケートを撮ってみました。英語の授業で最もついた力は何か。そのクラスは特殊で、3年間持ち上がりだったため、純粋に江藤の英語の授業を受けてきています。

結果は…「時間管理能力」

え!英語じゃないの?驚きました。詳しく聞いてみると、プロジェクトをやり続けていると没頭して気づくと夜になっていたり、チームがまとまらずに何日も残業することがあったそうです。そういうわけで、時間管理能力が最も身についたということでした。

生涯にわたって学ぶには、学習を自ら管理する能力が最も大切だと言われています。教員の役割は、人が自分で必要に応じて計画し、遂行し、振り返る力と、必要なリソースを探す力を生徒につけることです。

テスト前はチームで計画を立てて勉強

実はドリルや問題集も授業でやっていないわけではないのですが、生徒のスタンスとして「家でできることは授業でやらないで欲しい」に変化するのであえてノルマを課してはいませんでした。ただ、模擬試験や学外テストのスコアで進学が決まる以上、何もしないわけにも行きません。例えばこの授業の場合。

テストでは半分は知識問題でした。その分の授業はというと、以下のように進めていました。

1)テスト直前まで文法プロジェクト
2)二週間前はチームで計画を立てて教科書付随の問題集を解く
3)他のメンバーの進捗状況を見ながら進める
4)解説を読んでも、調べてもわからないところのみ先生に質問する

動画を作る段階で、簡単な論文を読んでいたりするので、結果的に質問はあまり出ません。学ぶ力をつけているので、模擬試験や入学試験の前にも自分で計画できるようになって行くのです。プロジェクトばかりやってると、「一人でドリルやるって楽だわ〜」という言葉が漏れ聞こえるほどです。

さいごに

Youtubeを使って無料動画で学び、LINEで3時間つなぎっぱなしで勉強会を開き、必要に応じて調べてまとめられる力のある生徒たち。学習塾も今やAIを使ったアプリを使ったアダプティブラーニング導入しています。むしろ、一斉授業で板書を写すのは意味がないと分かっているのは生徒たち。

こうした新しい授業形態を恐れているのはもはや教員だけかもしれません。小さなことでもいい。「生徒に選ばせる」ことから始めてみませんか?

次回は、生徒がデザインした授業「逆コーセラ」をご紹介します。


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