退職エントリ / LAPRASの魅力について語ろう。「営業のプロ」にしてくれたことへの感謝。
ども!@nakashimayugoです。
私事ですが、LAPRAS株式会社を8月で退職します。
直接お伝えできなかった方へのご報告と御礼を兼ねて、2年間勤めたLAPRASの魅力を書きたいと思います。
社員目線の想いを書くので、今後入社を考えていらっしゃる方や、お客さん、ユーザーさんにももっとLAPRASのことを好きになってもらえたら嬉しいです。
まあ、そんなことを言いながらも、大目的は自分の頭の整理です。
○感謝!関わっていただいた全ての方に深く深く深く御礼申し上げます。
お客さん、ユーザーのみなさん、パートナーのみなさん、代表の島田さんをはじめとしたLAPRASのみなさん、会社やプロダクト、同じマーケットで切磋琢磨した競合さんにも感謝です。(僕の目線での呼称で恐縮です)
スタートアップでは、接するお客さんやユーザーさんの意欲や知識レベルが総じて非常に高い傾向にあり、業務を通じてとても勉強させていただきました。
皆さんから多くを学ばせていただき、そして楽しくエキサイティングな時間を過ごさせていただきました。本当にありがとうございます。
○LAPRASの魅力について語ろう。
LAPRASはクローリングや機械学習の技術を基軸に、オープンデータを活用したサービスを提供しているスタートアップです。
保有している大量のSNSやWeb上のデータを強みとし、現在はHR領域で事業を行っています。
現在のマネタイズの柱は、企業向けのエンジニア採用サービス「LAPRAS SCOUT」。また並行して個人に向けのポートフォリオサービス「LAPRAS」も勢いがあります。
そして、プロダクトはもちろんのこと、組織やカルチャー、ひとりひとりのメンバーがとっても面白い会社です。
身内贔屓ではありますが、とにかく「面白い取り組みやっているね!」というネタをたくさん持っている集合体です。
たとえば・・・
●ホラクラシーという組織形態を導入しており、語弊を恐れず言うと上下関係がない。給与が基本一律でマネジメントがない、みんな自立してやろうという組織文化。(今後変わるかもですが。)
●入社試験のカルチャーチェックでは、全社員と候補者の方で、たとえば25対1の構図で行い全員が拒否権を持っている。ビジネスサイドでもKPTやスプリントを取り入れていたりと、採用や業務の進め方にもこだわりが強い。
●チャットではダイレクトメッセージは使わず、オープンな場所でやり取りする必要がある。決めごとや考えはesaにドキュメントとして言語化・明瞭化するなど、情報開示性の高いコミュニケーションを好む。
大なり小なり、いろいろとこだわりが強い会社です。
もちろん、流動的に変わっていくでしょうし、決め事が先行し実態が伴っていないこともありますが改善を繰り返しています。
- 僕が一番好きなところ。 全員が「プロ」であること。
面白い要素はこれ以外にもたくさんあるのですが、僕が一番好きなところが「社員全員が各分野のプロである」という社内認識です。
自社の魅力については、社内でも「プロダクトの技術力」「共感できるミッション」「ホラクラシー」といろいろ挙がります。またお客さんからも色々なことを魅力として挙げていただきます。
その上で、僕が社外にもっと知ってほしく今後も大事にしてほしいのがこの社内認識。
LAPRASは「自分より優秀な人を採用する」というコンセプトで採用を行っています(*1)。ですので、とても優秀な人達が集まっています。
採用枠をあける時には「自分の代わりに(手足に)なるような人」を採用するわけではなく、「自分とは別の分野で突出した能力を持つ(かつ幅広い対応力を持つ)人」を採用しています。
たとえば、最初に営業メンバーを採用する際には「ビジネスに幅広く対応でき、営業"も"できる人」ではなく、「営業”が”強く、ビジネスも幅広く対応できる人」を採用します。
もし更に営業の人を採用する場合は、営業の業務をより細分化し、たとえばエンタープライズセールスやインサイドセールスに、より特化した人を採用していきます。*2
一見当たり前のように思えますが、営業や更に細分化した業務はキャリアパスの通過点として見られたり、専門性が低いと見られがちです。そういった職種や業務に対してもスペシャリティを求める会社はほとんどないと思います。
営業を一例として、社内にはフォーカスの広さの違いはあれどみんな「その分野のプロ」が集まります。スペシャリティは、単に過去の実績だけでなく、理論やトレンドといった知識量、また手が動くかどうかといった実行力も問われます。
また、制度的に給与が一律なのでどの分野プロが偉いということではなくそれぞれを尊重し合います。そしてこれが相互に専門性を高める力を働かせます。
とくに学術分野ではない「営業」をはじめとしたビジネス分野ではこの専門性の引き上げの力がとても強く働きます。
ビジネスにおいては学歴や経歴で多くは語れないと思いますが、東大や京大・海外大学で専門領域を学んだ人間、外コンや大手で教育を受け実績を残してきた人間、エンジニアとして業界でも有名な人間と、「同じプロとしてのレベル」に立たたなければならないわけです。
もちろんこの専門性だけを社内で重視しているわけでもありませんし、業績が良くなければ専門性なんて言ってられませんが、僕はこの「自分たちはプロであり、プロを雇い、プロと働いている」という共通認識がとても好きです。
デール・カーネギーの言葉を借りれば「自己重要感」が強くなり、「他のメンバーに認めれるように努力する」と学習意欲も高まります。
- 営業のプロとして。
僕は営業の一人目として入社しました。前述のとおり「営業のプロ」として入社するわけです。
もちろん僕自身、営業としてそれなりに恥ずかしくない実績や経歴を持っているつもりです。前職までは広告の業界にいましたが、ある程度どこに行っても通用するという自負はありました。
ただ、単なる「営業」としては「自然体で活動していれば売れる」という考えで、自分なりの”営業理論”なるものを持っているわけでも、営業としてのプライドを強く持っているわけでもありませんでした。
そのため市場価値の上げ方は、データ分析やプログラミングとの掛け合わせのスキルや、「PRやマーケの上流工程から考えれる」・「業務を体系化し必要であれば自動化できる」といった組織単位の視点の切り口、他には「メディア広告」や「ベンチャーのセールス」などバーティカルな領域での専門性などでポジションを取ろうとしていました。
まあこれは戦略としては正解だと思います。
ただ、仮にさまざまな分野の営業職の人があつまったとした時に、堂々と「僕は”営業の”プロですがなにか?」とは言えなかったように思えます。
思えば「営業」という職種に本気で向き合えてはいたのかもしれません。どこか「営業はある程度できるから他のことを」という考えがあったようにも思えます。
しかし、入社時に求められたのは社内の誰よりも「営業のプロ」であること。社内では楽天やリクルートなどで「営業もそつなくこなす」メンバーばかりの中「営業のプロ」であることを求められますので「僕は数字に強いよ」とか「幅広く対応できるよ」なんて言っている暇はありません。
営業というものについて真に向き合う機会になりました。
業務上、エンジニアリング / データ分析 / ビジネス関連の本は2年でそれぞれ50〜100冊は読んでいると思いますが、営業はそれ以上に多くの本を読みましたし(本が重要という主旨ではありませんが)実際に様々なトライをしたつもりです。
営業のプロってなんやという話もありますが、一つは営業の業務を言語化し、再現性と汎用性をいかに高められるか考えながら自分なりの理論体系を作ってきたつもりです。
また、営業はキャリアパスの通過点になりやすく、ノウハウや業務が比較的に体系化されていません。そのため「専門職」としての地位は低く、「誰でもできる」「気持ちが大事」「消耗品」といったイメージも強いかと思います。
この職業に専門性を認めてくれたことがとても嬉しかったし、個人としてもそこに向き合えたことは本当に大きな資産です。
もちろんこの「プロ」という自覚は営業だけではありません。アサインされたポジション全てで意識することです。
たとえばイベントの役割を任されたときにはイベントについて徹底的に考えましたし、社外の勉強会に色々と参加したり、アナウンサー講座に通ったりもしました。まあまあ高かったですがいい思い出です。笑
僕以外の話では、アルゴリズムのメンバーがPMにアサインされた際には夜遅くまでPM勉強会をしていたり、ホラクラシーの推進の役割の人間は英語の最新のホラクラシー憲法を翻訳してコミュニティに還元したり。皆もともとの専門領域以外についても学習意欲が高いです。
自分について見直し、お互いに高めあえる最高の環境だと思います。
- 先生がたくさんいる。プロに囲まれて自分もプロになる。
このような文化なので、自分の領域以外については先生がたくさんいることになります。
様々な領域の一線級の業務を身近で体感し、議論して学ぶことができました。
個人としてリリースや記事の作成、調査などのPR関連の業務や、ターゲティングやWebマーケなど、マーケ系の業務、その他CSの業務や採用系の業務も一定できる自信があります。(いろいろ業務委託で支援もさせていただいていましすし。)それなりにビジネス業務のカバー範囲は広いほうだと思っています。
その上で、LAPRASにはそれぞれの領域で「プロ(先生)」がいるわけですので、自分の持論をぶつければ非常に良質なフィードバックが貰えるわけです。
そして、連携するにはそれらの戦略も理解し結合させなければなりませんので、自然と周辺業務の能力も上がるわけです。
優秀な人がいることが福利厚生とよくいいますが、「各分野のプロ(先生)がいる」ことは最高の福利厚生です。
主旨からは外れますが、それぞれのプロが講義をしてくれたり、家庭教師もしてくれることも多いです。
デザイナーからデザインやブランディングの講義があったり(LAPRASのHPは国際的なデザインの賞を獲得している)や、人事からは社会学を元にした組織論ついて講義があったりもします。
営業でデータ分析について困ったことがあれば、国際会議で論文を通したアルゴリズムの人間に数学や統計について聞けますし、自分で簡単なサービスを作ろうと思った時にエンジニアが懇切丁寧に教えてくれるわけです。
デザイナーに「プライベートでバナーをクラウドワーカーに発注したいんだけど」と相談すると、デザインのポイントからヒアリングまで行ってくれます。
過去プログラミングスクールは3つ行き、数学教室で学び直しをしたりし、200万ぐらいを使っていますが、それと同等かそれ以上にこの社内家庭教師達から学びを得ることができました。
余談ですが、これは休日に勉強のためにいじっていたもの。一週間ぐらいでほぼ基礎を作ったので雑いですがこういった自分の勉強にも付き合ってくれるのは本当に良い文化です。
(アジャイルやバージョン管理、ステージングと本番環境や環境構築を体感したくてGas→Python(Flask)・Heroku→Python(Django)・VPSといろいろ環境を変えながらクローラーを作ってみたもの。タスクスケジューラで更新するようにしてましたが今は止めている。)
そして、プロに囲まれることで改めて自分の領域を見つめ直し「プロでいないといけない、もっと勉強しないといけない、負けられない」という気持ちになれます。
- まとめ
だらだらと書いてきましたが、LAPRASはとてもおもしろく、プロダクトの独自性、ミッション・ビジョンが解決するペイン、福利厚生など多くの視点から見て良い会社だと思います。
LAPRASのメンバーは本当にみんな頭が良いです。もちろん学歴もかなり高いですが、処理や理解力、意欲や説明力も本当に高い。そして多分みんな「自分が一番頭がいい」と思っています笑。(いい意味でね。僕も自分が一番だと思っています。)
その上で、みんな業務と個人を分けて考えているので健全な議論ができているように思えます。
そして、前述した通り、僕がいちばん好きなところは、そんな中でみな専門性がありプロとして互いに認めていることです。多くの「LAPRASっぽさ」の根本はここなんじゃないかなと個人的には思っています。
新しく入られる方にはこの部分を是非魅力に感じてほしいですし、その自負をもってビジネス上の新しい専門領域を開拓したり前進させていただきたいです。考え方や取り組みなど、LAPRASが日本のビジネスの各領域を先導していってほしい。
またお客さんやユーザーさんには、このような人間が働いているので、どんどん難しいこともリクエストいただきたいです。そして一緒にサービスを作っていってほしい。各メンバーに関わっていただければきっとそれぞれの変態な一面が見えてきて好きになってもらえるはずです。
○やったこと。実績。
とまあ、書きたいことをだーっと書いてきました。
一応退職エントリなので、やったこともざっと書いておこうと思います。
上記でも触れましたがざっくり入社から追っていくとこんな感じ。
・2018.8 最初の営業として入社(営業責任者)
・2019.4 マーケ・営業チームの責任者
・2020.2 イベントを主体としたリードジェネレーションや継続利用の運用のサポート・継続営業
商品を知ってもらい、実際に使って成果を出し、そして継続して利用してもらうまでの一連の流れに携わらせてもらいました。
商品はベータ版のいろいろバグも多かった時(ゴメンなさい笑)のときから関わり、今では様々な機能が増えC向けの別サービスとの連携するまでに。
料金もワンプランのときから販売や課金の内容を変えながら、今ではバンドリングとアンパンドリング(セットで売ったり、今の商品を切り分けて売ったり)を色々テストしている今の段階までお付き合いさせていただきまました。
主な実績としてはこんな感じ。もちろん個人の成果というより全社の成果です。
●販売戦略の作成。販売ボトルネックの洗い出しなど。こういう感じ。
●チームを見ていた時の昨年対比としては、営業工数を増やさず、新規受注1.6倍、CVR8%アップ、平均単価13%アップなど。
●新規契約100件ほど(途中フェールドセールスから離れたので1年半ぐらい。だいたい入社後の全顧客の半分ほど。もっとかな?)
●イベント45回ほど(外部の勉強会も含める)。特にプログラミングスクール7社と実施したものは手応えのあるプロジェクトになった。その他いろいろな企業さんとコラボさせていただいた。
●代理店、営業アシスタント、商談代行、アドバイザー、その他外販の仕組みなど外部パートナーを諸々整える。
●記事やコンテンツ作成。本の出版。(これは個人活動ですが。)
●データに基づいたCRMやSFA設計。自動化のツール作りなど。
●高価格の料金プランの作成と販売、アップセルやクロス商品の作成、事例づくりなど。
○蛇足ですが、個人として上記の記事含めビジネスメディアなどでいろいろ取材をしていただいたり、寄稿や登壇などもさせていただきました。(今度営業×データ分析で電子書籍が出る予定なのでぜひ。)
「いろいろやったね」と思っていただけると嬉しいのですが、手当たり次第というわけではなく、ボトルネックを洗い出し、データで補完し、それをイベントや自動化、外注含め必要な施策で解決していくというミニマルな一連の活動です。
○退職の理由と今後について。周期性的なしゃがみ。
退職の理由は細かいことは色々ありますが、電池切れです。
僕は「瞬間風速的にいい変化を与えられる」みたいなビジネスパーソン像に憧れてしまうので、もともと「一年も在籍できないかもしれません」と伝えており、その割にはけっこう長くいました。笑
(すぐ辞めるなんて会社が損するだろが!とも言われそうなのでちょっと補足ですが、毎回Wantedlyなど採用費用があまりかからないもので転職して、けっこう立ち上がりは早いほうだと思います。もちろん、会社に貢献できたという手応えを感じてからです。)
それで、今後については特に何も決めていません。
ただネガティブで「働きたくない〜」という感じではなく、とりあえずぼーっとやりたいことを考えようかなと思っています。
話は変わりますが、辞めるとなってから「入社してからどんなことしてきたっけ」「どんな気持ちの変化があったけ」と思って振り返ってみることにしました。
それで、iPhoneを見かえしてみたらやたらとこのアラームのスクショが多い!(なんの話や)
これが一枚や二枚じゃなくて、定期的に出現するわけなので、この現象の背景を「忙しくて寝不足になると間違ってスクショしてしまう。」と仮説立ててみました。こんな感じで。
(※gifはGIFMAGAZINEのceasar@sitさんより)
2年間のスクショを集計してみるとこんな感じになりました。
これを見るとだいたい2019年の年始、2019年の夏、2020年5月ごろが忙しかったようです。それで、Googleカレンダーから予定も確認してみるとこの期間はなぜかお酒たくさん飲んでいる日も多い。
振り返ってみるとこのタイミングはいつも「なんだかモヤッてるなー、新しいことしたいな」というタイミングでした。で、夜に考え込んでしまい眠れていないというパターン。(まあかなり強引ですが)
ただ、このタイミングでいろいろ準備して、役割の変更やイベントの開催など数カ月後に新しいことを始めていることが多かったです。
何が言いたいかというと、確かに5月ごろにけっこういろいろ考え、最終的に退職してまだ何もきまっていないわけですが、僕の周期的にたぶんまた新しいことをやる前のしゃがんでいる状態なんだなと自覚しました。なのでそろそろ別のやりたいことがフッと湧いてくるんだろうと思います。
何も決めずに辞めるのは毎回のことなので、面白そうなお話があればぜひ聞かせてください!
ま、また充電しつつ面白そうなことをどんどんやっていきたいなと思います。
○ほしいものリスト
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○LAPRASありがとう!!!
2年間大変お世話になりました!改めましてありがとう!
○写真あったらください!
カメラロールを見返えしてみて、自分が写っているLAPRASの写真って全然ないことに気づきました。いい写真お持ちの方ぜひ送ってくださいー!
▼はじめての出張勉強会
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▼病み飲み
▼scouty移転前の飲み会
▼CA合宿
▼丸山コーチによるスカッシュスクール
▼オフサイト
※1 : 今は上記はポリシー的には明文化していないかも。転職を考えている人は@Kazuhiro Chidaに聞いてください。
※2 : スペシャリティがあるからといってその業務ばかりをする必要はなくやりたいことをやれます。たとえばアルゴリズムの人間が法務の役割も兼務したり。営業もPRやマーケ、CSなどの業務も行います。
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