週報#17 イリーガル
Esports と VR / VTuber の情報をまとめてお届け。
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Esports
・いつだって「esports」を流行らせるのは"陽キャ"である。
釣りタイトルだ。バズワードを意識してテーマから外れている。内容に沿ったタイトルにするなら、記事中にもある「ゲームをただの暇潰しで終わらせないたった1つの方法」だろう。これも手法の古い釣りタイトルになるが。
彼は現役高校生として esports についての note を書いている。継続して情報発信をおこなう現役高校生は貴重な存在だ(そもそも継続的に情報を発信する人間は貴重だ)。貴重な存在だから、業界の人間は彼に注目をしている。それは良い。注目されるべきだ。他の存在も拾い上げられるべきと思うが。
インターネット諸兄はご存知のとおり、若いからという理由で持ち上げられた人間の顛末は芳しいものではない。無批判は人を腐らせるからだ。
この記事には 45 のスキが付いている。一方この記事で言及されている Telfie というブランドの中の人が書いた記事には 15 のスキしかついていない。
もちろん動線が用意されていないからというのもある。用意すべきだと思う。であるならば、それについてや先のタイトルとそれに伴わない内容について何も言及せず無批判に記事を共有すべきではない。
彼は WELLPLAYED JOURNAL というメディアに寄稿したこともあるライターである。彼のことは高校生としてだけではなく、ライターとしても評価すべきだ。もっとも、ライターを評価する基準を持たない人が多いのだろうが。WPJ は校正後にフィードバックやアドバイスをしないのだろうか。
さて、俺には陰キャラ陽キャラというものがまるで分からない。オタクについてもだ。陰 / 陽というのはウチ / ソトにも思えるしカーストや大衆のようにも映る曖昧な言葉だ。蝿の王やオタクが人気者になれない理由は懐かしいのにビガー・ケージズ、ロンガー・チェインズ。前段を読み思い出したのはこの記事だ。後段の内容に何も言うことはない。
・世界中で手探りが続くeスポーツビジネスで成功するために言えるたったひとつのこととは? アジア諸国のイリーガルなゲームシーン、新興国で強豪選手が育つ理由、国家とeスポーツの関係
毎度面白い世界の esports 事情についての記事。メディアクリエイト国際部主席アナリスト・佐藤翔氏へのインタビューだ。
各国のイリーガルな部分も含めた文化的商業的な側面を紹介する連載。メディアクリエイト国際部主席アナリストにゲームの話を聞くという企画の時点で勝ちだろこんなもん。
・「フォートナイト」からメタヴァースへ:エピック・ゲームズ経営陣が語るゲームと仮想世界の未来
フォートナイトの話なのでこちらに入れておく。エピック・ゲームズの CEO と CTO へのインタビューだ。
フォートナイトには通常のゲームプレイやその競技シーンだけでなく、マインクラフトのようなクリエイティブモードが存在する。それはエピック・ゲームズにとってメタバース――仮想世界を創り上げる前段階といっていい、VRChat みたいなものだ。
・【LoL】LJLのチーム、Unsold Stuff Gaming(LJLスプリング2位)が新しいマスコット『あんこちゃん』を公開した
プロゲーミングチーム・USG がサポートキャラクターを公開した。
どうみても VTuber です。いや冗談ではない、多くの人がそう思ったはずだ。VTuber のデザインには VTuber らしさみたいな共通項があるのだろうか。それとも「人型のマスコットなら VTuber っしょ~?」みたいな認識に俺が支配されているか。後者臭いな。
で、この記事は海外の反応を翻訳したもの。俺は USG ならうさぎちゃんでは???という疑問で頭が一杯だ。
VR / VTuber
・ミラーワールド:ARが生み出す次の巨大プラットフォーム
またしても WIRED だ。紙媒体の刊行に合わせた Web 企画らしい。
ミラーワールドという概念は全ての事物をデジタル化するという壮大な発想で、記事中でボルヘスに言及されているようにボードリヤールのシュミラクール的な展開をできそうな夢物語だ。
記事ではミラーワールドは現実に対応する 1 つの世界として語られている。が、ポケモン GO の例を挙げているところを鑑みれば、実際には Ingress の世界やドラクエの何かの世界 etc など複数の世界が折り畳まれた現実という迷宮を幻視することになるだろう。
その迷宮ではポケモン GO が実際の場所の価値を変えたように、それぞれの価値観が混じり合う世界が顕現する。違う価値に惹かれた人々が同じ場所に集い、その価値観が交雑するというのは刺激的な画だ。
・VTuberグループにじさんじ、二次創作ガイドライン制定 「文化の発展に貢献」
俺はこの見出しを見たとき、てっきり生配信を切り抜いて YouTube に上げている連中を認めるためのガイドラインかと思ったが、どうやら違うらしい。
にじさんじというのは長時間生配信をする連中なので、その全てを追うことは不可能に近い。視聴者にはコメント欄に残された見どころへのリンクや、そういった配信を切り抜いた動画を鑑賞するものも多いはずだ。
この動画は法的には宙ぶらりんの状態である。引用でないのは明らかで、大体の二次創作のように、権利者が駄目と言ったら勝てないだろう。もし、こういった動画編集をおこなっている連中を拾い上げたり、大手を振って収益化出来るような道が拓けたならどんな展開が待っているだろうか。
俺が Twitch 推しなのも、かのサービスはクリップ機能がついており配信者に対してクリーンな形で(ゲームの著作権者相手にはしらん)手軽に切り抜きを広めることができるからだ。
Esports の話をしよう。Esports にもいわゆるスーパープレイを集めたモンタージュと呼ばれる切り抜き動画がある。この編集マンで人気のやつは、公式にも認められたりする。
たとえば Nicetryian というやつは LoL のスーパープレイ集を作成していた。
こいつは腕利きなので公式にプロモーション動画を任されるようになった。
現在の VTuber 人気は明らかにグレーゾーンに置かれた人間たちの行為で成り立っている部分がある。何らかの形で報われてほしいものだ。
・出来おとり その1.V釧路について
VTuber だ、VTuber だろう。VTuber からの手紙だ、これは。随分と達筆だ。こいつの居る V(ヴォ)釧路は何かソ連の実効支配を受けていた、あるいは受けているに違いない。
・「アステリズムに花束を」の発売記念座談会
後述。
その他
・百合SFアンソロジー『アステリズムに花束を』 ソ連百合『月と怪物』も収録
書いたやつ。ソ連と SF と百合のアンソロジーについての記事だ。
タイトルにある『月と怪物』について、俺は以前にも SF の文脈で『SFマガジン』の「百合特集」号と一緒に紹介する記事を書いていた。同編集の担当した短編集に彼の作品が収録されるのは喜ばしいことだ。めでたい。
・マーロウにサヨナラを [1]
ハードボイルド小説の第 1 話だ。独白が延々と続き、物語は静かにゆっくりと進行する。会話の間には地の文が差し込まれず、そのことが緩急を生む。
・ファンの愛は決して報われない。それでも――。『ファンダム・レボリューション』解説・若林恵(「WIRED」日本版編集長)
なんかファンについてのなんかだ。俺がファンについて注目しているのは前にも言った気がする。そしてその熱狂を記事では " たったひとりのカルト " と評している。同担拒否という言葉も思い浮かぶ鋭い指摘だ。そのような熱狂と我々はどう付き合っていけば良いのか、折り合いをつけるのか。
・お酒も飲めるインディーゲームイベント「東京電脳特区」
イベントレポだ。ありがたい、俺もこのイベントには注目していたからだ。告知の仕方が上手く、そしていちいち格好良かった。
以上です。
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