第四回文学フリマ京都に行ってきました
1 月 19 日に開催されていた第四回文学フリマ京都へ遊びにいってきました。
文フリは全国で開催されている文学作品の展示即売会で、「自分が〈文学〉と信じるもの」であれば何でも出品できます。
で、友人が書いたものが出品されているということでフラッと行ってきました。京都はいま継続的に開催されている文フリ会場としては一番近いので。
ここで言う「フラッと」とは「友人が書いたものが出品されている」以外の情報を持たずに、という意味です。電車に乗るまで会場の詳しい位置も調べていませんでした。でも楽しかったよ、ということで。
会場は 1 日で回るのに丁度良い広さで、昼頃着いてからのんびり各ブースを回りました。立ち読み用の見本誌コーナーもあり、あと会場内で食事も売っていたりと時間をゆっくり使える仕組みになっていて良かったです。
というわけで戦利品を幾つか紹介していきます。
異世界分子生物学会
友人の書いたやつが載っているというのがこれ、「異世界分子生物学会」。
本物の研究者たちが考えた異世界の科学的な考察、特に分子メカニズムを、創作クラスタの人たちの参考にするために『第2回異世界分子生物学会年会 講演要旨集』としてまとめました。
なんか近いところとして MAHO Online が思い出されますね。
内容としても冒頭からオメガバースについての論考が登場するなど、異世界と銘打ちながらそこから飛び出した自由で、かつ専門分野を持った方が書いた(逆噴射の言い方をするのであれば R.E.A.L で)興味深いものでした。
Sci-Fire
「大森望 SF創作講座」から生まれたSF創作誌『Sci-Fire』。
これは行きの電車の中で Twitter をぼうと眺めていたところ、作家の名倉編さんが宣伝をしていらっしゃったので購入。
名倉さんの作品は『山田シンギュラリティ』。全体のテーマが「異国」ということで、国境を跨いで遊ばれる位置情報ゲーム、そのルールが次々に改変されていくお話。冒頭から国境を反復横とびしており胡乱な雰囲気。
他にも『大絶滅恐竜タイムウォーズ』で世間を賑わしている草野原々さんが草野原々している短編や、『雪が白いとき、かつそのときに限り』の陸秋槎さんのエッセーなんかが載っており、最前線を感じます。
書肆侃侃房
文フリには同人誌以外にいわゆる商業誌も出品されています。書肆侃侃房さんもそんな出版社です。というわけで北村紗衣さんの『お砂糖とスパイスと爆発的な何か』、岡野大嗣さんの『たやすみなさい』を購入。
『お砂糖とスパイスと爆発的な何か』の方はフェミニスト批評の本ということで映画や演劇、小説についてフェミニズムの視点から批評されています(現在 Kindle Unlimited なら無料で読めます)。
『ファイトクラブ』や『華麗なるギャツビー』なんかも登場し、自分にとって新しい観方が提示されるのは楽しいものでした。
夏コミで購入したヴァージニア・ウルフについての同人誌『かわいいウルフ』と繋がる部分もあり、脳みそが刺激されました。
『たやすみなさい』は詩集です。詩集の説明は難しいですが、木下龍也さんとの共同詩集のタイトル『玄関の覗き穴から差してくる光のように生まれたはずだ』がとても素晴らしいので、その言語感覚はこれだけで十分伝わるんじゃないかと思います。
生存戦略
「女とBL」をテーマにした批評エッセイ同人誌『生存戦略』。会場で立ち読みして購入したのですが自分の目利きに満足いった感じ。期せずしてオメガバースとフェミニスト批評が今回の文フリの僕にとってのテーマです。
仏壇葬をするぞ
お仏壇を処分する時の儀式「仏壇葬」についてのエッセー。仏壇葬をする可能性に思い至ったので。
未来へ(?)
他にも大学サークルが作品集を出店していたのを頂戴したりなどなどして帰ってまいりました。
各ブース回って売り子の方にお話を伺った後に戻ってから買うみたいな動きをしたので、戻ってきたら完売していたものもあり心残りです。ただやはり、色々な形式で色々なジャンルのものが出店されている空間をのんびり回るというのは各所からめちゃ元気をもらえる良いものですね。
ブースの作りなんかも見本誌や無料冊子、名刺を配っている方、YouTuber として活動している方なんかもいらっしゃって一歩前に出て繋がっていく工夫について自分が出店するならどうするかなぁなんて考えました。試し読みなんかがあってもどうしても、作品だけでは魅力が伝わりづらいというのはやはりあり、ポップや見出し、前書きなどなど如何にして心を掴むかというのに皆さん腐心していられる様子でした。ああいう場所はオフラインとオンラインの場が入り乱れるので面白いですね。
文フリは次回以降 2 月に広島、3 月に群馬、5 月東京という感じのスケジュール。またどこかに出没しようと画策中です。次はちゃんと事前情報を仕入れます。
Photo by Alex Azabache on Unsplash
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