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『アニマルウェルフェア』: 佐藤衆介 動物との共存はあり得るか


アニマルウェルフェアを簡単に言うと、
動物がストレッサーから逃れたり、排除出来たりする事を意味する様です。

ウェルフェアの訳語としては「福祉」と言う意味。
ウェルは「望みに沿って」フェアは「生活する事」だから、福祉の方がイメージしやすいですよね。


ご存知でしたか?
我が国は、最大のクローン牛生産国だったって。
1000頭近いクローン牛が誕生し、39%が死亡。(死産、生後直死、病死、事故死)…結構な死亡率です。
クローン牛を作り出す際の、ドナーの排卵処理における苦痛、代理母の妊娠に関わる苦痛。
遺伝子組み換え動物も、遺伝子組み換え自体による苦痛。
クローンにしろ遺伝子組み換えにしろ、ウェルフェア問題は山積みの様です。
…私的には、動物虐待と思えました。
 抵抗出来ないものに対し、無理矢理
 の行為ってサイテー。

クローンも遺伝子組み換えも、食べても安全って言われますが、もう、その過程がダメじゃない?…と思ってしまいました。人間て何様な訳?
…ニンゲンサマ?

人間と動物が共存するなら、ウェルフェアと言う観念は必要ですね。

ヒト以外の動物も他者に配慮する…と言う項があります。

動物と暮らした事のある方なら、「そんなの知ってる〜。」と、思うでしょう。

私はワンコと暮らしましたが、日本語を理解していると思えたし、自らリードを持ってきて散歩の催促をしたり、「そろそろ散歩に行くか〜」と頭で想像しただけで「さんぽ、さんぽ‼︎」とはしゃぎ出しました。
私が泣くと「泣かないで」と涙を舐めたり、喧嘩をすると赤ちゃんが喃語を話す様に喧嘩の仲裁に入っていました。
多分、自分も言葉が話せると思っていた様です。

でもそれは、ペット化した動物だけでなく、野生動物でも見られる行為だそうです。
他者への配慮がないと、誰からも助けてもらう事が出来なくて、死んでしまうから…と言うのもありますが、
配慮の行為として、グルーミングなどがあるのですが、ノミを取ったり、除菌効果があったら、オキシトシンが分泌されたりの作用もある様です。
それに、同種だけに配慮する訳ではなくて、ラットが猫やチャボまで飼育しようとしたり、野生のイルカがヒトに魚をプレゼントしたり、ジャコウ牛がヒトをイヌから守ったり。
…それらは、自分の命を守るためだけのものではない、まさしく共感の先に芽生えた利他。

全ての生き物は、単体で生きられず、繋がりあって生きるように出来ているんですね。

ただ、それが当たり前でないことも分かります。
気軽にライオンを撫でたり出来ないですもん。
人間だって、誰とでも共感し合える訳ではないのだから、当然と言えば当然でしょう。

それでも、今までのペット化や家畜化とは違う概念を持つ事が出来れば、動物との共存、共生は可能です。

先日、自然農法の仕方をYouTubeで見たのですが、今までは、生産性だけを重視した農法だった事に気付きました。
そうして、他の生き物たちが住めない状態を作り、動物もどんどん減ってしまい、畜産は虐待と思えるものがあったり…。
そんな中でも、共存の可能性が見えた事は嬉しかったです。
それに、動物とさえ利他で繋がれる世界って、人間にだって優しい世界な気がしませんか?
全ての生き物が共存できるって、楽しいですよね。
…頭がユートピア過ぎかな〜?

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