『犬は神様 DOG is GOD』に やられた
山本容子さんのエッセイ集『犬は神様』に感動した。私にとっても犬は神様で、神様がうちに連れてきてくれた猫は天使。犬や猫にまつわるエッセイや小説、漫画や映画が好きな私のお気に入りリストに『犬は神様』も加わった。
5匹の犬たちとの思い出がシンプルな文体で綴られていて、その語り口は淡々としていながら、時にユーモラスで、それぞれの犬に対する幼くて淡い愛着から濃厚な愛情まで、文章と行間のあちらこちらからにじみ出ていて、ふだんは冷めている私の目にもじんわりと涙。
しかも、山本容子さんは銅版画家なので、愛犬たちの絵が随所に登場する。犬たちの愛らしさや作者の想いが詰まっている画と文が一緒に踊っているようで、いっそう可笑しかったり、いっそう物悲しかったり。
称賛の語彙が乏しくて歯がゆいけれど、図書館で借りて読んだこの本を、私は本屋で探して買おうと思う。借りて読んだ本を、中古ではなく新品で購入して再読。これは、本が好物だけれど懐が淋しい私にとって、最上級の賛美です。
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