緑の国の石

アイルランドで買った緑色の石。薄くて平らな楕円形で、表面には浅い窪みがある。指でこすり続けてその窪みが深くなっていくと、いつか願いが叶って幸せになる、的な感じで売られていた。指でこすって石が擦り減るわけないじゃん、雨垂れじゃあるまいし。そう思いつつ、わりと安かったので、細やかな願掛けとして買った。

数年経って、その石が机の引き出しの奥から出てきたので、最近たまにこすっている。窪みはまったく深化しないけれど、私は木や石に触れていると気持ちが落ち着きやすいので、よい気休めになっている。

小さな緑色の国アイルランドには迷信や伝説、神話などが多く、大小のストーンサークルもあちこちにある。前回の滞在は首都ダブリンのみだったので、再訪するチャンスがあれば自然が豊かな地方をゆっくり流れ歩きたいな。

いま集めているのはムーンストーンで、和名は月長石。色と名前がそこはかとなく神秘的で惹かれるのだけれど、私にとっては高価な石なので、なかなか増えないなあ。