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アイドル歌会〜俵万智セレクション歌集発売記念スペシャル!〜

今回の「アイドル歌会」は、俵万智さんのセレクション歌集「あとがきはまだ」発売記念スペシャル!

俵さんご本人も会場で参加されての開催でした!

今回もありがとうございました!
新ユニット「三十一文字」(勝手に言ってます)
俵万智さんと!


スケザネさんと!





まずはいつものように、共通のお題で作った歌を披露し合います。鑑賞し合うのとっても楽しい!SNSでリアルタイムに皆さんの感想が読めるのも楽しいです!

私が作った歌も載せておきます!

1首目がイベントで発表した歌、以下は、同じテーマで作っていた歌です。



【記念日】

告げぬままいつものポーズでチェキを撮る実は出会って二年記念日


あの頃を共に過ごしたヲタ友と今でも集うきみの記念日

記念日を覚えていたくなる人と出会えたからこそ今日は記念日




【まだ】

まだ言えない、大切なお知らせがあります! あ、大丈夫!朗報だから!

「未来」って「まだ来てない」って書くんだと気づいて気長に待とうと思う




【自由題】

「昇進で現場の頻度下がるかも」仕事モードの君もいるよね






そしてなんと!
俵万智さんのセレクション歌集「あとがきはまだ」から、好きな歌を選んで紹介させていただけるということで!!!悩みに悩んでこちら、選ばせていただきました。


父に出す食後の白湯をかき混ぜて味見してから持ってゆく母

(『アボカドの種』より)


動作の描写だけで、このご夫婦の重ねてきた時間、思い、関係性が見えてきます。それを観察されている作者(=娘である俵さん)の視線からも、ご両親との関係が伝わってくるようで、でもあくまでも動作を読んだ歌なので、感情は断定されていない。

短歌って、たった三十一文字で、何十年分の、何人分の登場人物の思いを表現できるのでしょうか。奥が深すぎる!

ちなみに、最後まで迷っていたのはこの2首です。


感染者二桁に減り良いほうのニュースにカウントされる人たち

(「未来のサイズ」より)


「これもいい思い出になる」と言う男それは未来の私が決める

(「プーさんの鼻」より)



ちなみに、このセレクション歌集には載っていないんですが、とっても好きな俵さんの歌があって


中国のニュース聞く時張君を思え国とは友のいる場所

(「未来のサイズ」より)


です。国連とかのスローガンにしてほしいくらい好きです。息子さんのお友達である「張君」という具体的な人物名がすごく効いています。
国に限らず、国内の都道府県などに置き換えて考えても、知らない土地にひとり知人ができるだけで、一気にその土地への心理的な距離が縮まることってありますよね。私はゆるキャラの存在もそうした効果をもたらすと思っていて、たとえば熊本地震の時、SNSに、熊本を励ますメッセージと共にくまモンのイラストがたくさん投稿されたように、人にせよキャラにせよ、「知っている存在」がいる場所だと認知できることで、「あの人(キャラ)が困っているからなにか力になりたい」と、外にいる人が心を寄せやすくなると思うのです。もちろん、知り合いが誰もいない、縁もゆかりもない国や地域であっても、同じように助け合えることが理想ではありますし、この歌に読まれた考え方の大切さはきっとみんなわかっているのに、それが未だ実現できていないという事実の重さも感じます。

たった三十一文字。短歌は、誦じられるほどの短さだからこそ、作品を心に丸ごと留めておけます。そして昨日の鑑賞会でもお話が出たように、歳を重ねたり、自分の環境が変わると、同じ作品でも感じ方が変わります。
「まだ来てない」自分がどう感じるのかを楽しみに、素敵な短歌を自分の中にたくさんストックしていこうと思うし、私もぜひに、誰かの中にとっておいてもらえる歌を作れるようになりたいです。






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