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21世紀の『女の子』の親たちへ(bookshelf)

娘が自閉スペクトラムの特性ありと診断されたのが、3歳7ヶ月の頃だった。

当時の心理検査の所見には、「マイペースで意に沿わないことは一切応じないのが特徴」と書いてある。

5歳になった今も、ほぼ変わらない。

所見には続いて、「興味のあるものには積極的に取り組めるのは本児の強み」とも。

ほんと、変わらない。

娘のいいところ、好きなことを精いっぱい伸ばしながら社会で生きていくには、どうしたらいいんだろう。毎日考えている気がする。

そんな折、たまたま見かけた題名の本を手に取った。

特徴的な学びを実践している、私立の女子中学・高等学校の先生の言葉を、著者の見解も含めてまとめた本書。

読みながら、へぇ!と思ったところ、心に留めて置きたい言葉を引用しながら記録する。

女の子の学力の伸ばし方のコツや、未来の学校のあり方についても言及しており、とても面白い。印象に残ったのは、今を生きる子どもたちに必要なのは、

道徳教育よりも、人権教育と性教育

とする著者の見解。

いじめ、虐待、教育格差などの問題も、道徳的な観点から見るとそれぞれの立場での”言い訳”が成り立ってしまう。しかし、人権の観点から見れば、どんな立場からでも目指すべき共通のゴールが見えてくる。足りないのは、道徳心ではなく、人権意識。

社会課題の本質的な意見に、同意。

併せて購入したこちらもとても分かりやすく、今日から使える。

リベラル・アーツを重んじる≒何かに特化してしまわない教育を大切にする。近道をさせない教育。
留学と同じくらいの効果が、女子校や男子校にはある。
レジリエンスを身につけるために必要なものは2つ。安心できる人間関係と自分自身で徹底的に考え抜く経験。

女の子の、教育や行動に対するモチベーションの話も興味深かった。

女の子は勝ち負けよりもチームでの一体感をモチベーションにする。
「重要な職務に女性を抜擢する場合、『キミのために』みたいな言い方では女性には断られてしまう確率が高いです。『次世代のためにパイオニアになってほしい』というような言い方をしたほうがリスクテイクしにくい女性の心を動かしやすい。」

これからの時代のリーダーシップのあり方は、

競争力よりも包容力。
武器になるのは、技術力ではなく、ひととは違う発想。ひととは違ったモノサシを持つことが価値を発揮する時代。

私にとって、”ひととは違うモノサシ”とは何だろう?思い浮かぶものは既視感があり、まだよく見えてこない。

安藤優子さんの「グローバルで抜きん出るのは、極められたローカル」という言葉を思い出す。

モチベーションと、それを実現するための柔軟な発想があり、仲間がいれば意外に食いっぱぐれることはない。それがこれからの成功モデルではないか。

大事なのは、何を選択するかではなく、選択した後に、『あの選択で良かったんだ』と思えるように努力すること」。自分の決断を事後的に「正解」にできる力こそ、”正解のない時代”に「自ら正解をつくり出す力」になるはずです。

平和教育を実践している女子校に共通しているのは、

「何ができるか」よりも「何を大切にして生きるか」が重要というメッセージ。
21世紀は「競争ではなく」「共栄」の時代。

学校とは文化を吸収しに行くところ

であり、「教科」の意味は、

教科学習を通じて、1つのことを多面的に見られるようになること。

洗足学園の宮阪先生の

「『親としてそこにいるだけで自分には価値がある』みたいに思ってほしいですね」

という言葉に、ホッとする。

子どもは親の失敗からも学ぶ。親がまずすべきことは、我が子の才能を最大限に評価できる独自のモノサシを持つこと。
どの先生にも共通するのは、子どもをしっかり見てあげることが大事ということ。子どもが何に対し、どんな関心を寄せていて、いまどんなふうに心が動いているかを見る。

褒めないほうがいいとか悪いとか聞くけれど、

褒めることよりも感謝の気持ちを伝える方が大事。
幼い頃に没頭した経験が豊かな子は大きくなってから伸びる。

最近の娘は、朝起きてすぐ「あつまれどうぶつの森」を少しすすめる。飽きると絵を描き始め、Tiktokを見ていたかと思うと、人形で遊び始める。

ホワイトボードに数字を書いて見せ、ボードゲームをオリジナルルールで遊ぶ。

自分の時間軸に誠実に、好きなことを好きなだけやれる幼少期。なるべく邪魔をしないように、見守ろうと思う。

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