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儲からない(かもしれない)けど善いこと

地元の子どもたちにものづくりのことを知ってもらったり、楽しんでもらおうと、行政、地元企業が集まって「みせるばやお」という団体をつくり、色んな取り組みを行っている。

参加している企業は基本持ち出しで、子ども向けのワークショップしたり、イベント開催したり地元を盛り上げようと活動している。

その様子を見て、ある同じ地元の会社の社長さんが、

「地元貢献みたいなのは、しっかり儲けてる会社やからできんのや。わしらみたいに本業で精一杯の会社があんなことやってたら会社潰れてしまうわ」

と嘆いてた。確かにそうかもしれない。参加してる企業さんは皆、なんだかんだしっかりしてる。

ただ、この地元貢献活動だけがどうだ、というわけではないのだけど、本業で稼ぐのが精一杯で、そこに全ての労力や時間を割かないとどうしようもないってのは、そもそもそれを続けていても状況は打開出来ないんではないかとも思う。何か新しいことや、違う取り組みを始めないことには何も変わらない。実は、それが儲からない理由の1つで、儲からない負のスパイラルにハマってるんじゃないかと思うのだ。

僕らの場合だと、この地元貢献活動では当然全然儲かってはいない。

でも、実は12/JU-NIのヘアミルクやスカルプクレンジングを開発してくれたTomiyamaは八尾在住者で、「みせるばやお」で木村石鹸のことを知って、地元にこんな会社があるなら、と応募してきてくれた。彼女は吹田だったかどこかのヘアケアのOEM開発会社にいた物凄く優秀な開発者だ。普通の求人では、うちみたいな会社にはなかなか来てもらうことも難しいと思うけど、みせるばやおでの一見儲かりもしない意味もなさそうな活動のおかげで出会えた。彼女が入社してくれたお陰でその後新卒で開発職の女性が2人入ったが、良い先輩として指導してくれているし、12/JU-NIに魅力的なラインナップを加えることが出来た。他にも彼女のお陰で新しく契約が決まった大手OEM先もあり、ほんとうちに来てくれて良かったと感謝してる。

結果から振り返ると、この一連のストーリーの根幹には「みせるばやお」の活動があったりする。これは本業とは関係のない取り組みだ。

たまたま運が良かっただけということかもしれないが、今やってることとは少し違う、何か新しいことに第一歩踏み出すというのは、やっぱり必要なことだと思う。そればかりでも駄目なのは当たり前だけど、5%でも10%でも、そういうことに捧げられるか。
「儲かりそう」みたいな新規事業はそりゃやるだろうし手も出しやすい。(わかりやすく儲かる、みたいな事業は僕はむしろ疑ってしまうけど)
でも、儲かる儲からないではなく、その活動が社会とか地域とかにとって、良い影響をもたらすかどうか、そんな観点で新しい取り組みへのチャレンジも一定割合あっても良いのかもしれない。地元を盛り上げるとか、環境に良いとか、子供たちに夢を与えるとか、なんでも良いのだけど、そういう「善い活動」も、直接事業収益には影響しないかもしれないけど、もう少し中長期の視点に立つと、多分何かしら会社や事業には良い影響をもたらしてくれるんじゃないかと思う。

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