見出し画像

木村石鹸でのSNS活用、取り組みについてのあれこれ

先日、ゲンさんのお声がけもあり、こちらのイベントに登壇させて頂きました。僕の方の回線が不安定で途中落ちてしまったりで、閲覧頂いてた方や皆さんにはご迷惑をおかけしました。

木村石鹸でSNSに本格的に取り組み出したのは、2017年ぐらいからです。自社ブランドを開始したのは2015年なので、実はSNSは後から力入れ始めたんですね。

社内の体制的にも、自社ブランドの専任は2人しかいなくて、その2人でECやら広報系やら全般を兼ねてたので、SNSにまで手が回らなかったというのが正直なところです。

ただ、多分、今だったらブランド立ち上げの前からSNSで頑張って、何かしら土壌を作ったり、ムードを醸成してから、ローンチみたいな順番にすると思います。当時は、全然考えられてなかったんですね。

木村石鹸におけるSNSの運用スタイル

2018年かな。twitterの運用とかがうまそうなスタッフが入って、そのスタッフが中心となってtwitter運用に取り組み始めたわけですが、最初はフォロワーも全然いないしかなり試行錯誤でした。そのスタッフも専任ではなかったので、忙しくなるとなかなか手が回らない。なので、大阪本社の方のスタッフもサポートに入って、一緒に運用する、みたいな形になったようです。

その時、普通なら公式1アカウントを裏側で複数人で運用していたとしても、キャラクターとしては公式アカウント1つとして運用すると思うのですが、なぜか、うちの場合、1つのアカウントで複数人が好き勝手やり取り(掛け合い)する、ということが始まってしまいました。

この場合、どの発言が誰の発言か分からなくなると混乱するので、それぞれの投稿に「大阪スタッフ」とか「東京スタッフ」みたいなクレジットを入れるという、今の運用方法が生まれました。現状は、双方のスタッフが掛け合いをする際は、クレジットを入れるし、公式アカウントとしての発言の場合には、クレジット入れない場合もあるし、たまに別のスタッフのクレジットが入ったりとか、僕も正直良く分からない運用スタイルになっています。あまり厳密なルールづくりはしてないようです。

同一アカウントでの謎の掛け合い

現状でも、すべてのSNSに専任担当みたいな人がいるわけでもないですが、緩く、このSNSは誰がメインで、みたいな縛りがあります。が、Twitterだと2-3人でやってたり、noteは執筆者でいくと5~6人いたりと、SNSやプラットホームによって運用スタイルは違うようです。

各SNSで役割や目的を明確にして、運用するみたいなこともやってません。やりながら考えてる感じです。もちろんInstagramならブランドの世界を見せるとか、twitterならコミュニケーションとか、そのプラットホームの特性にあわせた役割とか得意不得意みたいなものはあるとは思うんで、本来は、そういうのを考えて設計したほうがいいんでしょうが、一方で、それをやると、取り組み始めるためのハードルが高くなるなと思うんです。

例えば、今、うちのTiktokは、ベテラン営業マンと、営業部の中堅・若手メンバーである意味勝手に運用が始まったものです。もともとtwitterやinstagramなどをやってるマーケティングの部隊のメンバーも、tiktokも何かやらないとね、とは思ってたんですが、そこまで手が回ってもなかったし、なかなか踏み出せなかった。

そこにベテランスタッフがやると手を上げてくれたわけですね。最初は何をやるのか、続けていけるのか、やや疑問でしたが、とりあえず手を挙げてくれたんだから、やってもらうということで始まりました。やってみたら、予想超えて、フォロワー数も獲得したし、アップしてる動画の中には50万回再生なんてすごい再生回数叩き出したものが出たり、かなり驚いてます。

ベテラン営業マンが中心になって始めたtiktok
50万回再生の動画なんかも生まれた

木村石鹸の公式アカウントでいくと、twitter、instagramなんかに較べると、tiktokはやや異色な雰囲気があるなぁと思うし、twitterやinstaで慣れ親しんだ人からは、tiktokが木村石鹸っぽくないんじゃないか、という人もいたりします。

でも、こういう意見や話も、tiktokをやり始めたからこそできることなんですよね。実際、始めてみて、じゃあこのtiktokと木村石鹸の雰囲気やブランドはどう整合性取れるんだろうかとか、どういう位置づけになるか、みたいなことも考えたり、議論できるようになったわけです。やってみないと分からないこと一杯あるんですよね。やる前に、色んなこと考えて考えて、あらゆるリスクや整合性や一貫性や、みたいなことに注意払って、そんなことしてると、そもそも何も始められなかったりすることが多いと思います。

KPIや目標設定について

SNSの取り組みにあたって、特にKPIも設けてなければ、成果も数値としてはほとんど追いかけてません。追いかけるのも大変なので。もちろん、広告などは色んな指標を見てますが、通常のSNSの運用で細かい数値を見すぎるのも、運用負担が上がるだけなんじゃないかなと思ってます。その辺はチームに任せてます。

この手の成果レポートとか、効果検証って、結局、会社に取り組みを説明したり納得してもらうために作ったりすることの方が多いように思うんです。自分たちがより効果を高めていこうとするために必要な数値を分析したり、意識するのは良いですが、会社を説得するためにいらぬレポートを作ったり時間を取られるのはどうなんだろうと思うんですね。

KPIも成果も追いかけてなければ、どうやって管理するんだ、と疑問に思うかもしれないですが、自分たちのビジネスにおいてSNSがどういう位置づけなのかということをきちんと理解していれば特に問題はないと思ってます。僕らにとって、特に自社ブランド事業にとってはSNSは、最初の認知を得る場所や機会でもあるし、関係を築いていく場でもあるので、ここは力を入れないといけない、という認識があります。

実際、僕も実感として、SNSが認知獲得や関係構築に役立っているという感覚はあります。それをきちんと数値化したり、費用対効果まで出そうとすると、それだけでも大変です。これはちゃんと意味があると、自分たちが確信持てているなら、別に無理に数値化する必要はないとは思います。

中小企業がSNSに取り組むハードル

中小企業とか古い企業がSNSに取り組む時の難しさは、社員の意識かなと思います。SNSってどうしても遊んでるように見えてしまいがちだと思うんです。特に古い製造業とかだとね、いかに効率よく品質よい製品を作りだすかが重要業務です。あるいは、製品を売るための営業活動とか。傍から見るとSNSでやってることって、製品を生み出すわけでもないし、製品の売り込みでもないし、かといって、それら業務のオペレーションを裏で支えてるわけでもないし、何やってるのかよく分からないわけです。

でも、SNSに取り組むために、社内でその活動の意味や意義を理解してもらうために、効果だとか数値化だとかをやるのは止めたほうが良いとは思います。効果とか意味とか意義ばかりがが先立ったら、SNSはうまくいかないと思うんですね。

SNSはある種、人との関係の場です。コミュニケーションの場所です。人との交流の場で、この会話の費用対効果は?とか、あの人は付き合う価値があるかとか、そういう値踏みみたいなことばかりしてる人がいたら、あなたはその人と友達になりたいですか、という話です。

人と知りあったり、友達になったり、その人のことを好きになったり、人と関係が築かれる時って、当たり前ですが、損得とか効果とか効率とか、そんなこと考えないじゃないですか。そんなこと考えてる人と友達にも恋人にもなれないと思うんですよね。

でも、人との関係からは色んなことは勝手に生まれてくますよね。日常生活でもビジネスでも、人との関りとか、他人から、色んなことがもたらされてる。予想にしなかったこと、意外なことは、だいたい人との関係から偶発的に起きたりします。SNSでも同じなんじゃないかと思いますね。

SNSはそういうものなんだ、だからSNSで遊んでるように見えることは、そもそもSNSの本質だし大事なことなんだと、社内の皆に伝えて納得していってもらうしかないんじゃなかなと思います。

とは言っても、うちの場合も、周りの反応が変わってきたのは、やっぱり具体的に反応が出始めてからですかね。OEMの営業なんかでも、取引先の担当とかが、うちのSNSの話題が出てくるとか、問い合わせが増えるとか。SNSがきっかけで仕事や生まれた、って事例がポコポコ出てくるようになって、社内的にもその重要性がなんとなく理解されるようになった感じでしょうか。

SNSに取り組むべきか否か?

会社の特徴だとか、商品特性だとか、業界だとか、色々変数はあるので、なんでもかんでもSNSが重要、SNSやったほうが良い、というわけでもないとは思いますが、でも、きちんと取り組めば、色んな可能性は広がるし、やれるならやるに越したことはないと、僕は思ってます。

それは上記で言ったように、人との関りや関係によって、何かは変わるし、何かは起きるし、何かは生まれるからです。
それが何かは分からないですが。

メディアに取り上げてもらう切っ掛けになるとか、ユーザーのちょっとした反応が、新しい商品やサービスの発見に繋がったとか、取引先の担当者と繋がって親しくなるとか。言い出せばキリはないですが、何か良いことが起きる可能性は、何もしないよりは格段に広がると思います。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?