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【ブランド戦略論】なぜ、消費者ターゲットを絞るべきなのか?

マーケティングでは「ターゲットを絞れ」と言われますが、ターゲットの絞り方を間違っている人がたくさんいます。

「世の中が多様化しているから、自らも多様化しなければ、時代に置いていかれる」

この言葉が間違っている理由と正しい捉え方を説明できますか?
全ての人を満足させようとすると、誰も満足しなくなります。

もし説明する自身がない場合は、この記事で提示する例が参考になるでしょう。

ちなにみ、参考にした本は次の本です。

「カレーラーメン」では売れない

ここでは話をシンプルにするために、消費者2人から構成される世界を想定し、2人のニーズが「カレー」と「ラーメン」に分かれた状況を想定します。

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ニーズの多様化への対応として、まず考えられるのは、2人の「平均」に合わせることです。

たとえば、AさんとBさんのニーズに合わせようと、「カレー」と「ラー
メン」を合体させた「カレーラーメン」という商品をつくるというイメージです。

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ただ、おそらく、うまくいかないでしょう。

カレー好きのAさんにとって、カレーラーメンは中途半端であり、ラーメン好きのBさんにとってもカレーラーメンは中途半端な商品になります。

消費者ニーズが多様化すると、平均値は「実体のない値」になってしまいます。

「カレー」と「ラーメン」は売れるのか?

ニーズの多様化への対応として、次に考えられるのは、それぞれのニーズに合わせた商品を提供することです。

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AさんとBさんのニーズに合わせようと、「カレー」も「ラーメン」も扱う店をつくるといったイメージです。

これはうまくいくでしょうか?
おそらく、これもうまくいかないはずです。

この店のカレーは「カレー専門店」のカレーにはかなわないし、この店のラーメンは「ラーメン専門店」のラーメンにはかなわないでしょう。

複数の商品を足し算することによって、店の個性が希釈化し、「引力」は低下していきます。

カレー好きのAさんは「カレー専門店」を選び、ラーメン好きのBさんは「ラーメン専門店」を選ぶはずです。

ターゲットの引き算=「誰に売らないか」

では、どうすべきでしょか?

答えは、何かを「引き算」して、何かに「集中」することです。

このケースでは、ラーメンを引き算し、カレーに特化すること、もしくは、カレーを引き算し、ラーメンに特化することです。

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Q どの店にひかれますか?
 A.カレーとラーメンを提供する店:28.0%
 B.カレーラーメンの専門店:8.3%
 C.カレーの専門店:63.7%

この調査では圧倒的に多くの消費者が選のは、「カレーの専門店」です。

二兎を追うものは一兎も得ない。

費者ニーズが多様化すればするほど、『引き算の発想』が重要になってくるということでしょう。

次のnoteでは、ターゲットを絞ることで顧客満足度が上がり、売り上げも向上した『お二人様専用旅館 時の宿 すみれ』の事例を紹介します。

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