ハンドボールのスローイング・メカニズム Vol.2
ハンドボールの科学は毎週金曜日に更新!
ハンドボールの科学は,エビデンスベースでハンドボールに関わらず,幅広い分野の研究からハンドボールに応用して
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ためのnoteです!是非,ご活用ください!
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文献情報
タイトル
下肢動作の制限がハンドボール投球動作に及ぼす影響 −3次元動作分析による検討−
著者
山下裕之 藤野雅広 長尾光城 種本翔 宮川健
ジャーナル
川崎医療福祉学会誌 Vol. 25 No. 1 105-112,2015
まとめ
・下肢動作が制限されるにしたがって,肘伸展および肩内旋の最大角速度の低下は認められない
・下肢動作が制限されるにしたがって,両肩回旋・胸郭回旋および骨盤回旋の最大角速度は低下した
・下肢動作が制限されるにしたがって,両肩回旋・胸郭回旋および骨盤回旋の最大角速度のピーク時間は早期にむかえる傾向がみられた
・ボール速度と3 条件で共通して相関を示した変数は骨盤回旋最大角速度時の体幹前傾角であった
したがって,
3 条件下の投球動作の比較を行った結果,体幹部の活動がボール速度に大きく関与しているだろう!!
方法
写真を参照
わかったこと!
写真を参照
この研究の現場への活かし方
今回も投球動作の解説です!今回は自分が非常に重宝している論文の1つです!今回のキーワードは,何と言っても
「下半身の動きに制限かけたり,助走に制限かけるとどうなるん?」
という点です!
この論文は,ジャンプシュートのスキルレベル向上にとって非常に重要な知見を提供していると思います!なぜなら,ハンドボールというゲームは,ほとんどのシュートがジャンプシュートであり,ジャンプシュートというのは地面からの反力を投動作に活かせない,まさに下肢を制限された状態でのシュートと類似していると推測できるからです!今回の研究で,より明らかにされたことは
ジャンプシュートにとって体幹の回転運動(回旋運動)は非常に重要であるだろう!
ということです!
あくまで投球動作ですので,投球腕の動かし方や力の出し方なども重要になってきますが,この論文でもあるように,ステップシュートのように地面からの床反力を活用できないのに,その場合と同じような投球腕の動きを空中で実践しようものなら,投球腕に依存した投げ方になり,ボール速度の低下や障害を引き起こす可能性があります!そんな厳しい状況でも,速いシュートを打つためには,空中でいかに体幹の回旋運動を効果的に活用するかです!
そのような状況を演出するスローイングトレーニングや体幹の回旋運動に関わる筋腱複合体のSCCの活用を上手くするためのトレーニングなどが有効かと思います!
非常に多種多様な動きが求められるハンドボール.ですが,ハンドと名がつくのですから,投げれることはカナリのアドバンテージになります!現在,世界選手権が行われていますが,
「やっぱり海外の選手は球速いなぁ〜」
と思われた方は大勢いるでしょう!
雲の上の存在にし続けても,海外勢に勝てるようになりません.抜本的な投球動作の指導が日本ハンドボール界には必要であると考えます!野球の投手,アメリカ人のメジャーの選手と同等,いやそれ以上の球速で投げている選手もいますよね?日本人がボールを投げることに向いていないのでしたら,これの説明をしてほしいくらいです.やってもいない,考えてもいない,日本の中で球を速くして,勝てても,世界で通用しない.この負のループを断ち切りましょう!
ハンドボールを徹底的に学び合えるオンラインスクール「kocs(コチ)」では,ハンドボールの投球動作に関する情報としてZOOMでセミナーしたりしてます!!もし,ご興味があれば,Facebookにてご連絡ください!また,公式Instagram,Twitterアカウントもあるので是非フォローを!
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それでは!
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■ 名前
鈴木 雄大(すずき ゆうだい)
■履歴
日本体育大学 体育学部 健康学科(体育学)→日本体育大学大学院 コーチング
学専攻 博士前期課程(コーチング学)→青森県スポーツ科学センター
■大学院博士前期課程での研究テーマ
「ハンドボール選手の投球動作の3次元動作分析とバイオメカニクスを活用した指導法の構築」
■ハンドボール指導歴
高校男子(2014〜2015)→高校女子(2015〜2020)
日本体育大学女子ハンドボール部 アナリスト(2018〜2020)
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