見出し画像

ハンドボールの投球動作のレビュー論文から考える⑦

ハンドボールの科学は週に2〜3回に更新にします!頑張って書き上げていくので,是非シェアしていただけると嬉しいです!

ハンドボールの科学は,エビデンスベースでハンドボールに関わらず,幅広い分野の研究からハンドボールに応用して

☑︎明日の練習に生かす!
☑︎明日の指導に生かす!

ためのnoteです!是非,ご活用ください!

【音声でも学べます👍】

👇stand FM👇

https://stand.fm/episodes/60be9056ad06482ce607dc7b

_______________________________________________________________

また,ハンドボーラーのためのオンラインスクール『Kocs-コチ-』で運営にも携わっております.そこでは,様々な選手やコーチ,保護者の方々と意見交換しながら,よりよりコーチング方法やスキルアップ方法をインプット⇄アウトプットしています.ご興味がある方は,公式SNSからDM✉️お待ちしています!

Twitter⏬
@kocs_official
Instagram⏬
@kocs_official


文献情報

タイトル
Throwing speed in team handball: a systematic review

著者
Helena Vila & Carmen Ferragut

ジャーナル
International Journal of Performance Analysis in Sport Volume 19, 2019 - Issue 5

リンク
https://www.researchgate.net/publication/334795261_Throwing_speed_in_team_handball_a_systematic_review

まとめ
https://note.com/yudai0531/n/n44e42e62eec8

方法
https://note.com/yudai0531/n/n44e42e62eec8


わかったこと!

スクリーンショット 2021-06-07 15.33.25


この研究の現場への活かし方

 今回のこの論文は,レビュー論文なので複数回に分けてnoteを書き上げていきます!このレビュー論文では,64本ものハンドボールの投球動作に関する研究をまとめ上げたものです!

 ハンドボール以外にも投(球)動作は,これまで多くのバイオメカニクス的研究がなされてきました.その中でも,多いのが野球のピッチング動作を対象とした研究で,投球速度向上や制球力,肩や肘の障害予防などの観点から様々な知見が得られてきました.ハンドボールにおいても,野球の研究数よりは少ないですが,非常に多くの研究がなされています.少し残念なのが,投球腕や体幹の動きに着目したキネマティクス(位置や角度や速度など)的な研究がほとんどです.一方,ボールに加えられた力やパワーという観点からキネティクス(力)的研究はあるものの,投球腕などに着目してその関節トルクなどを報告した研究は非常に少ないです(若山ら, 2014; Hillary et al., 2016).今後,両面の研究が増え,さらに”ハンドボールの投球メカニズム”という霧が晴れていくことを期待しましょう!
——————————————
 さて,今回は「球速を速くするための身体の特徴とフォームについて」という観点でお話ししましょう!
 
 是非,最後までご覧になっていただけると・・・筆者が驚くほど喜びます🤣.いいねやコメントをくれたら泣いて喜びます😭.

 前回の記事では,『どうして球速に男女差が生まれるのか?』と『球速とコントロールの関係』について触れましたね!
(前回の記事)
<前回のPOINT>
✔︎男女の球速の差は筋量や筋力などの形態および体力的な要因によって生じるが”動き”に関しては分からない
✔︎一般的には動きを速くすれば,精度は落ちる

ここまでが前回までのお話でした!
——————————————

 さて,本題です!今日は球速とコントロールについての述べていきます!

 前回でお伝えした「Fittsの法則」は一般的な運動(ダーツなど)において速度とコントロールの間にはトレードオフな関係があることを明らかにしています!

「物体の移動速度が上がるほど,目的到達地点の誤差がおおきくなる」

ということです!

 では,ハンドボールの投球でも同じことが言えるのでしょうか?複数の論文の結果から述べると,

球速とコントロールはあまり関係ない!

ということが分かりました(Garcia et al., 2013; Nuno et al., 2016; van Den Tillaar & Ettema, 2003a, 2003b).これらの研究はステップシュートであるターゲットを狙わせて,そのターゲットからのズレを分析しています.また,これらの研究では,制度を高めようとして投げると球速は下がるが,球速と両立して投げさても然程大きなズレは生じないという結果でした!しかし,これらの研究の対象者は海外のトップ選手であり,その競技レベルによってはこの非トレードオフの関係は成り立たないかも知れません.

 とどのつまり,球速の向上はスキルレベルが上がるにつれて別にコントロールの練習をする必要はない可能性が出てきました.スズキ的な解釈としては,「球速を高めていければ,もしかすると副作用的にコントロールも高くなるかも」と結論づけました.しかし,これらの研究は,ステップシュートのみの研究である上に,競技力が非常に高い選手を対象としています.「ボールを速く投げれるようになる=コントロールも良くなる」という現象が確実なものとは言えないでしょう.

 シュートの成功率には,「どれくらいの球速で」,「どこに」,「どのタイミングで」,「どの方法で」投げるかで決まると思います.

つまり,「戦術的要因」「技術的要因」「体力的要因」が掛け合わされて初めていいシュートと言えます.多くの指導者が「戦術的要因」を好んで教えていているかと思います.戦術を教えるのは,強く速くいつでも打てるようになってからでも遅くはない.これが鈴木の持論です!

——————————————

 ハンドボールを徹底的に学び合えるオンラインスクール「Kocs -コチ-」では,ハンドボールの投球動作に関する情報としてZoomでセミナーしたりしてます!
 もし,ご興味があれば,Facebookにてご連絡ください!また,公式Instagram,Twitterアカウントもあるので是非フォローを!

Twitter⏬
@kocs_official
Instagram⏬
@kocs_official


それでは!

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
■ 名前
鈴木 雄大(すずき ゆうだい),MS,NSCA CSCS

■履歴
・日本体育大学 体育学部 健康学科(体育学)
・日本体育大学大学院 コーチング学専攻 博士前期課程(コーチング学)
・現職 青森県スポーツ科学センター スポーツ科学専門員(動作分析分野)

■大学院博士前期課程での研究テーマ
「ハンドボール選手の投球動作の3次元動作分析とバイオメカニクスを活用した指導法の構築」

■研究業績
・試合における大学女子ハンドボール選手のジャンプシュート動作の3次元分析(単著)_ハンドボールリサーチ,2020

■ハンドボール指導歴
・高校男子(2014〜2015)→ 高校女子(2015〜2020)
・日本体育大学女子ハンドボール部 アナリスト(2018〜2020)


 

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?