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全ての人が合意できる社会を考える〜「Au オードリー・タン 天才IT相7つの顔」ブックレビュー

nore初投稿😁🎉!!
インスタグラムでブックレビュー投稿を見て頂いている皆さん、これからはnoteにブックレビューを投稿していこうと思います。
どうぞよろしくおねがいします🙌✨

台湾で新型コロナウィルスの流行を抑えこんだことで日本でも一躍有名になった、台湾のIT大臣、オードリー・タンさんについての本。

図書館で目に留まり、なんとなく借りてみたのですが、読み始めると内容にどんどん引き込まれ、あっという間に読了してしまいました📕✨
そして気がつけば、すっかりオードリー・タンさんのファンに😍(笑)
彼女はただ頭が賢いというだけではなく、思いやりと慈愛、社会奉仕の信念を持って生きていることがわかりました。
そして、そんな彼女の考え方にとても勇気をもらいました✨

オードリー・タンさんの今までの人生、
本を読んで印象に残った内容や
彼女の言葉を紹介したいと思います🙂

■天才と言われた子供時代


3歳で漢字の本を読んだり、百科事典を愛読。小学1年生で連立方程式を解くことができたオードリー・タンさん。

小学2年生で優等生クラスへ進学したが、学校で待っていたのは、タンの天才的学力に対する同級生からの妬みといじめ、教師からの体罰だった。

先の見えない学校生活に死にたいと思うことが何度もあり、学校を不登校がちになり、家で部屋に閉じこもり、泣いたり、本を読んだり、ボーっとしたりする日々を過ごしていた。
(そんな時に、家で読んでいた本でプログラミング言語と出会い、この頃から夢中で学ぶ)
タンは優待生クラスを辞めて森林学校へ。そこでタンは心を取り戻していく。

小学5年生で父が仕事で住んでいたドイツへ。
ドイツは台湾と全く違う教育理念を持っていて、誰かを特別視することはなく、優秀な子はのびのびさせ、学習の遅れている子は出来る限りサポートする。
チームワークを大切にし、
困ったり遅れたりしている子がいたらみんなで助け合う。権力としての力ではなく、チームの力がいたるところに自然にあった。
ドイツでの学生生活は、タンの人生観に大きな影響を与えることになる。

そんなドイツで学んできたタンが、中学進学を決める時、ドイツやアメリカの名門中学校を進められる中、彼はこう言った。

「お母さん、ドイツに残るのもアメリカに行くのも嫌だ。台湾に帰りたい。自分の場所で大きくなりたい。」
「ドイツの同級生は自分より学力が低くても、自分より大人で自信もある。どうして台湾の子供達はああで、ドイツの子供達はこうなんだろう?っていつも考えてた。台湾に帰って教育を変えたい!」


そして、タンは台湾の中学へ進学。
中学校の許可を得て毎日中学校へは通わず、プログラミングなど独学に励んだり、大学の講義に出席していたという。

高校進学時には高校進学を辞退。
この頃から、更に本格的にプログラミングに携わることとなる。

「社会のルールに従って、良いことをして振る舞い、上を目指して人生の勝ち組になるか?
それとも、社会の穴を突き詰めるハッカーとなり、その穴を埋める何かを創造するのか?」

これこそ、当時彼の心に浮かんだ選択肢であり、彼は後者を選んだのだ。

その後、実際にソフトウェアエンジニアとして働いたり、会社を経営したり、IT技術を駆使して国民の社会変革活動をサポートした。夢であった台湾の教育改革にも貢献した後に、現在のIT大臣となる。

■心に残った内容・言葉

タンが小学3年生の時に訪れていた哲学教室。そこでは、先生との対話と議論をグループで継続的に練習していたそうです。
その討論には次の3つの側面があったそう。

1 批判的思考:なぜ自分がこう思うのか、なぜ他人がそう考えるのかとその理由を考える

2 ケア的思考:討論の際に他人がどう感じるかに配慮する

3 創造的思考:もっと独創的な考えができるかどうかに踏み込み、自分らしいものを生み出す

このような手順を継続的に練習し、メンバー1人ひとりが協力して討論し、共に思考する習慣を身につけることができれば、
最終的に得られる答えは、権力を使ったものではなく全ての人の共通認識から生まれたものとなる。

📕📕📕

タンを導いたあるソフトエンジニアの名言

「いかなる議論の場でも、我々は王も大統領も投票も認めない。
我々が信じるのは『ざっくりとした合意』と、動いているコードだけだ」

コミュニティにあっては権威を拒絶し、投票で軽々しく結論を出さず、専門性をもって問題を解決するべきだ、という意味である。

「ざっくりした合意とは、『満足ではないにせよ、みんなが受け入れられること』を表しています。そういうコミュニケーションは完敗の人も完勝の人もいません。でも投票すると少数の方が負けることになります」

コミュニティで常に対話することの目的は、討論して各人が受け入れ可能な結果を出すことにある。

📕📕📕

今まで台湾の人達は
「どんな政党が政権をとろうと、政党は自分たちの利益しか考えず、何も変わらない」と感じていたという。

だが、インターネットにより情報が可視化された学生達による大きな社会活動(ひまわり運動)を経験・目の当たりにしたことで、
情報の可視化・透明性が確保されていれば、自分たちの力で政治や社会を変えていける
ことに人々は気がついた。

📕📕📕

また、オードリー・タンさんは自身がトランスジェンダーであることも公表している。

「歴史上、女性に投票権がないことを皆が『善』と考える時代がありました。また特定の人種に投票権がないことを『善』だと考える時代もありました。
まず現在の私たちにしてみれば、どちらもありえないことです。」
「もし一人一人が自主的に考えることができれば、この社会には多様性が生まれ、ひとつの意見によって何かが決定されることなく、継続的な検証に耐えられるでしょう。
そうなると社会に新たな衝撃が生じた時、完全に打ちのめされることもありません。」
「私が経験してきたことの中から、他人と異なる点をジグソーパズルの一片に見立て、それをこの社会に付け加えることによって、いくらかでも貢献したいと考えてきた。
なぜなら多くの人は自分の人生に、そうした他人と異なる一辺を見つけることができないからだ。自分の経験を語ることで社会に内省を促し、社会がさらに良くなる手助けをしたかった」
「私の人生にあった社会の期待と一致しないところは、社会が悪いのでも私が悪いのでもないとわかっている。
私自身の経験を分かち合うことで、この社会は本来非常に多種多様な要素で構成されているために、自然と多様な価値観が生まれること、世の中の進歩と称するもののために、その他の価値観が犠牲にされてはならないことを、皆が知ることができる」

オードリー・タン

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