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イタリア映画祭2018

Festival del Cinema Italiano 2018
東京・有楽町朝日ホール、2018年4月29日

《Ligabue監督作品が映画祭のポスターに採用》


2016年11月に発表したコンセプトアルバム”Made in Italy”を元に、Luciano自らが脚本・監督をつとめた同名の映画が本国で公開されたのが2018年1月。
現在のイタリアそのものがテーマなので、翌年(2019年)あたり、ゴールデンウィーク恒例のイタリア映画祭で紹介されたらいいなぁ、と思っていたところ、2018年の同映画祭で早くも紹介された。この映画祭は通常前年封切られた映画からセレクトして十数作品を上映するので、きわめて異例の早さ!
しかもしかもしかもしかも!
映画祭のゲストとして、まさかの再来日!
3年ぶり、今回は映画監督としての来日である。

上映が決まった時点で、再上映される第1作目の監督作品”Radiofreccia”ともどもチケットを確保していたが、当日は、”Made in Italy”ツアーのツアT着用&”Made in Italy”のCDジャケ持参という熱烈ファンアピ満載の臨戦態勢で会場へ。
上映後に、Q&Aタイムが設けられ、主演女優のKashaとともにLuciano登壇!
最初の質問者がツアTを着ていたらしく、Lucianoがそのことに言及したので、思わず発作的に「Luciano、こっちも見て~」とイタリア語で叫んでいた!しかもLigabue監督として登壇しているのに。ここはイタリアではない、日本なのに。タメ口で。ヒンシュク?? 瞬発的にイタリアモード全開になるなんて、わたしも進化(?)したものだ。
でも、ツアT着用のわたしに気づいてくれ、通訳中に目が合ったので手を振ったら、にこやかに振り返してくれた!

《観覧者の質問に答えるLuciano》

次の上映にそなえてトイレ休憩してロビーに出てみると、なにやら人だかり。Lucianoがいる!
もちろん突進して、まずは”Bentornato a Tokyo”とご挨拶して、CDジャケにサインしてもらう。サインする場所について、Qua?QUA!という会話(なのか?)を交わす(要するに、わたしが想定していた場所は却下)。
そしてツーショットで記念撮影。わたしが着用しているTシャツに気づいて、”bella maglietta”と言ってくれたのに、”Grazie”しか言えなかった。もっと気が利いたことを言えばよかった~!
そしてそしてそしてそして!
ごくごく自然にわたしを抱き寄せて、ハグ&チューしてくれたっ!!!
見たところ、そんなことしてもらっている日本人は皆無だったし、そもそも外国人にはあまりしないイタリア式挨拶。
先ほどのステージの上と下(su e giù da un palco!)でのやり取りの効果?
アンド、CDジャケ&ツアTアピ効果??
熱烈なファンであることが伝わったのだろうか??
いずれにしろ、想定外というか妄想外の出来事にすっかり舞い上がり、おかげでこの後の”Radiofreccia”の鑑賞にまったく集中できなかった。2001年の第1回イタリア映画祭で鑑賞済み&DVDも所有しているから、いいのだけど。

《直筆サイン!》

そうそう、すっかり失念しておりましたが、映画の感想を少し。
現代イタリア社会の閉塞感とかなんとかよりも、やっぱり興味深かったのは、「ミュージシャンになっていなかったらこうであったであろう自分」である主人公Rikoのキャラクター。
浮気したり、妻の浮気を疑っているのに問いただせなかったり、浮気相手が自分の親友だと知って彼の車に八つ当たりして破壊したり、その親友を侮辱されて暴力沙汰を起こして職を失ったり・・・
いつも穏やかで謙虚なLucianoからは想像できない一面が描かれていて意外な反面、そのエネルギーを音楽に注ぐことができなかったら、こんな不本意と欲求不満をかかえて生きていたのかしら?などと妄想してしまう。
いずれにしろ、きびしい現実であっても現実は現実として受け入れ、ささやかでも希望を与える作風は、Ligabueの音楽に通じる作品だったと思う。

《主人公Rikoを演じたステファノ・アッコルシは初監督作品"Radiofreccia"でも主演をつとめた》

この日から時間が経つにつれ、伝えたいことはヤマほどあるのに、ロクに口もきけなかった悔しさがつのる限り。でも、たとえ日本語が通じたとしても、気の利いたことは言えなかっただろうなぁ。
人生に2回もLucianoに会えた僥倖。今度こそ、幸運をすべて使い果たしたかも。
でもね、non c’è due senza tre 2度あることは3度あるっていうし、まだまだ素敵なことが起こるような気がする、ってLucianoはいつも思わせてくれる。


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