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【エッセイ】何よりも大切なこと

今日、仕事で打ち合わせがあった。

プロデューサーさんの作品に対する熱とか愛とかがめちゃくちゃ伝わって、
とてもうれしい時間だった。

自分が生み出したもの、
一緒に作ったもの、
それをこんなに大切にしてくれるなんて
ほんとにありがたいなと思った。

そして話は変わる。笑

私が演劇をやってた頃、
どうしても出たい作品があって
直訴して出演に至ったことがあった。

夢が叶ったことはとても嬉しかった。
だけど私はびっくりする程、何もできなかった。
いくら悔やんでもどうしようもないくらい
せっかく出演させてもらったのに
私は役に立つことができなかった。
周りの役者さんのレベルが高くて、
本当に何もできない自分が悔しかった。

過去にそんなことがあって、
そして今。

何故その演出家さんが
私を出すことにしてくれたのか、
同じ物書きとしてもわかった。

それは私が誰よりもその人の作品が好きで、
その作品に愛があったからだと思う。

だから、そんな愛を持ってくれてる存在として
私を受け入れてくれたんだと思う。

でもそんなことが今わかるこそ、
あの頃何にもできなかった自分が悔しい。

だけど、“作品への愛がある人を信じること”。
信じてくれたこと。一緒に作ってくれたこと。
その経験って何よりも宝。

私は、その人には何もできなかったけど、
作品を作る楽しさとか、
そこに集まる人たちの愛とか、
いろんなものを見せてもらった。

その人には何もできなかったのに、
今更返せるものも正直ない。

だから、今、どう生きるか。
気付いたこと、もらった宝物、
私はどうやって人に接して、
どうやってそれを大切にしていくのか。

愛をもらった、愛があるから使ってもらえた、
じゃあいまの私は?どうなのか。
もらったものを無駄にはしていないか、
そう思った。

何もできない私を
“その作品が誰よりも好きだから”
その一点で使ってもらった。

そこでもらったものを私は全然大切にできていなかったかもしれない。

脚本家をやってきて、とにかく必死すぎた。
わけがわからなくても、とにかく作品をつくった。仕事をした。
でも、脚本家を数字として扱われたり、ロボットのように扱われたり、その度に落ち込んだ。

だけど、それを守ってくれようとする人、
大切にしようとしてくれてる人がいる。
もちろんそうじゃない人もいる。

でも、“作品への愛”とか“熱”とかを大事にしてくれる人は必ずいる。

だから自分だけは、誰よりも大切にしなきゃいけない、改めてそう思った。

正直、仕事をしていく上で、
やっぱりなかなかそういう人って珍しいし、
そうじゃない人の方が多いことはもちろんわかっていた。

落ち込むことをされても、腐っちゃいけない。

作品を愛してくれる人とこれからも一緒に作っていきたい。
奇跡みたいなこと、もっと大切にしたい。
それを大切にしたり耕せる自分で在りたい。

全く知らない人と組むことはめちゃくちゃ勇気のいること。でも、“作品への愛”、それを信じてくれた人の背中を私は見た。
だからそこは自分が傷付くかもしれないって考えるよりも、えいっ!って、勇気を出して一歩、一緒にやってみる。
ダメならダメでそれは仕方ないことだ。

今日のプロデューサーさんも、
一度軽く一緒に会議をしたことがある仲くらいだった。
ひょんな機会とタイミングで、今一緒に作品を作っているけど、きっと私を起用するのも声をかけるのも吉と出るか凶と出るかわからない、そんな感じで勇気は絶対に必要だったと思う。

信じてくれてるし、守ってくれてるし、
そういう人も居るってことは忘れちゃいけないよなって。(忘れかける程、大変な一年だったとも言える。笑)

やりたい仕事以外はただの作業。
私は作業をする物書きにはなりたくないし、
やっぱり自分の中の“好き”も周りからの“好き”も
大切にやっていきたいと思うよ。

今が踏ん張り時かな!

またあの頃のように
大好きだけど何にもできない自分
にはならないようにしたい!

自分が落ちてる時って
もらってる愛情とかに気付きにくいけど
ちゃんとそこに気付けると
大切なものがなんだったのか
見えてくるんじゃないかなと思うよ。

だからさ、自分も相手も大切に生きていこうね!
自分を大切にしてくれてる相手を大切にするには
まずは自分を大切にすることが大事だよ。
元気出してこうね!
私も少しずつパワー取り戻すよ。

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