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2021年12月08日の脚本「マリッジ・ミラー」

本日の60分シナリオです。
60分シナリオというのは、シナリオが60分のわけでなく、私が60分で書く練習をしている脚本です。

本日のテーマを引いたらこちらでした。

難しかったー…。
かなーり意味不明な感じになりましたが…まぁ、練習用の投稿なので、ひとまず載せます。

脚本「マリッジ・ミラー」

登場人物

遠藤奈々(29)…アラサー女子
郷原裕也(29)…ナルシスト男

脚本本文(横書き)

〇 高級レストラン

遠藤奈々(29)と郷原裕也(29)が食事をしている。

裕也「乾杯」

奈々「乾杯」

グラスをコツンと当て、乾杯をする。

食事を食べている奈々。

裕也が突然、小箱を奈々の前に置く。

奈々「…?」

裕也「開けて」

小箱を開けると、指輪が入っている。

裕也「奈々、結婚しよう」

奈々「…!」

奈々の左薬指に指輪をハメる裕也。

嬉しそさのあまりに止まってしまう奈々。

奈々「よろしくお願いします」

裕也「(微笑む)」

奈々の後ろにある鏡で自分を見ている裕也。

奈々N「これが全ての間違いだった」

〇 郷原の家(新居)・外観

表札には「郷原裕也・奈々」と書かれている。

家の前に裕也と奈々がいる。

奈々「新居とか初めてだなぁ」

裕也「俺も」

奈々「でも同棲から新居って張り切りすぎたかな…?」

裕也「ま、いいでしょ。結婚するんだし」

奈々の手を繋ぐ裕也。

奈々「遂に郷原になるのかぁ」

裕也「ヤダ?」

奈々「ううん!嬉しい。私、遠藤じゃん?平凡すぎてかっこいい苗字に憧れてたんだよねぇ~」

裕也「郷原ってかっこいいべ?」

奈々「うん!」

裕也「じゃあ入るか。もう家具とか揃えてあるから」

奈々「え、ホントに?たのしみ~」

〇 同・リビング

ソファーがある。

奈々「わ、ソファー!!」

ソファーに腰を下ろす奈々。

嬉しそうに微笑む、裕也。

裕也「コーヒー飲む?」

奈々「あ、うん!」

何かの違和感にハッとする奈々。

奈々「(辺りを見回して)…」

部屋の隅々に異常に鏡がある。

奈々「……ねぇ」

裕也「?」

奈々「鏡ありすぎじゃない?」

裕也「そうか?」

奈々「だって、1、2、3、4…」

不思議そうに首をかしげる奈々。

裕也「はい」

テーブルにコーヒーを置く裕也。

奈々「ありがと」

すぐに鏡で髪の毛を直している裕也。

奈々「…どしたの?」

裕也「いや。新居記念に写真撮ろうぜ」

奈々「うん」

鏡で身なりを整える裕也。

奈々「…?」

裕也「いくぞ~」

シャッター音。

裕也「めちゃいい写真。見て」

奈々に見せる裕也。

写真は奈々が見切れている。

奈々「…うん。だね…!」

〇 同・洗面所(夜)

表情を変え、鏡をずっと見ている裕也。

奈々が角から覗いている。

携帯で自撮りを始める裕也。

奈々「…」

〇 同・寝室(夜)

奈々が居る。

奈々M「ん…?」

裕也がやってくる。

明日の準備を始める裕也。

服をたくさん出して、ベッドに並べ始める。

奈々「え、どしたの?」

裕也「明日の服だよ」

奈々「明日なんかあんの?」

裕也「いや普通に会社」

奈々M「普通に会社…!それだけでこんなデート並みに服を選ぶ必要があるか?」

鏡の前で服を合わせている裕也。

奈々M「なんだ、コイツ…!毎晩こんなことしてんのか?そんな自分のことばっか見てて飽きないのか…?」

裕也「奈々は明日の支度しないの?」

奈々「あ…私はそんなに迷わないタイプっていうか、朝にチャチャッと決めるから」

裕也「(興味なさそうに)へぇ~。で、これとこれ、どっちがいいと思う?」

奈々「…」

×   ×   ×

裕也の隣にいる奈々。奈々は眠れずにいる。

奈々M「どういうこと…?これ、同棲一日目だよね…?つーか寝室に鏡いるか?自分の写真とかいるか?コイツのセンスまじどーなってんだよ」

裕也「(いびき)ふぅ~んふぅ~ん」

奈々「…!」

裕也を見ると寝ている。

奈々M「何?このいびき?きっっも!なんかめっちゃ酔ってない?自分に酔ったいびきって何…」

ため息をつく奈々。

鏡に映った自分を見る。

奈々「落ち着かない…」

×   ×   ×

朝になっている。

目覚ましの音が鳴る。

奈々「ん~…」

目覚ましを止め、起きる裕也。

裕也「(奈々を揺らして)おい」

奈々「?」

裕也「おい」

奈々「何ぃ」

裕也「鏡は?」

奈々「落ち着かないから閉まった」

裕也「はぁ?!何でだよ」

鏡を探し始める裕也。

裕也「ったく勝手なことすんなよ」

出ていく裕也。

奈々「…?!」

〇 同・リビング(朝)

裕也が鏡を見ている。

奈々がやってくる。

奈々「ねぇ、今の何?」

裕也「?」

奈々「そんなに鏡いらないでしょ。寝るところに鏡ってよくないって言うし」

裕也「朝起きたら自分の顔チェックしたいんだよ」

奈々「…チェック?何をチェックすんの?」

裕也「いろいろだよ。いいから鏡戻しとけよ」

奈々「…」

出ていく裕也。

〇 同・洗面所(朝)

裕也がいる。

奈々「ねぇ!そんな言い方」

自撮りをしている、裕也。

奈々「何してんの?」

裕也「今日の俺…」

奈々「…キモ」

裕也「は?」

奈々「ね、気持ち悪いよ」

裕也「はぁ?」

奈々「鏡もありすぎだし、寝起きから自撮りする必要って何?」

裕也「お前だって婚約者がかっこいい方がいいだろ」

奈々「別に顔で選んだわけじゃないから」

裕也「は?」

奈々「私はいつも優しい裕也を好きんなったんだよ?」

裕也「俺ってかっこいいもんな」

奈々「まじで話通じない…」

裕也「ま、別にお前と結婚しなくても俺はモテっから」

奈々「…!」

裕也「なんだよ?お前がいけないんだろ?朝からああだこうだ言い出すから」

奈々「…」

静かに出ていく奈々。

ガシャーンという音が聞こえる。

〇 同・リビング(朝)

鏡を床に叩き付け、鏡を割る奈々。

裕也がやってくる。

裕也「何やってんだよ!」

無言で鏡を割る奈々。

裕也「おい」

割れた鏡を気にする裕也。

奈々「あんたってほんと最低。死ね」

鏡を投げつけ、出ていく奈々。

                              (了)

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