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【治療レポート⑥】右視床出血による弛緩性麻痺のリハビリ〜リーチにおける基底核と小脳の運動プログラムの評価〜

脳外臨床研究会会長 作業療法士 山本秀一朗
セミナーレポート作成 言語聴覚士 yucco
フルリカバリーを目指し、全国のセラピストと共に成長し続ける脳外臨床大学校で学ぶyuccoです。
脳外臨床大学校、脳外臨床研究会にてセラピストを育成し、自費診療で患者さんをフルリカバリーへと導いている山本先生の治療をレポート化しました。
全国の悩んでいるセラピストや困っている患者さんの力になる学びを届けたいと思いお届けしています♪
皆さんの治療が1ミリでも変わり、患者さんの人生が変わりますように‼︎

《症例紹介》

60代・男性
疾患:右視床出血(保存的治療)
障害:左上下肢麻痺、弛緩性麻痺(急性期入院時はMMT1)
現病歴:仕事中にゴルフカートに乗っている時に急にふらつき転倒し、左上下肢の麻痺発症し救急搬送。
回復期退院後は、独居にて週2回のヘルパーを利用しながら生活している。
発症からは8ヶ月が経過。
趣味:ゴルフ

《はじめに》

初めて会うセラピスト2人が患者さんの評価を実施しました。
聞く評価が多いため、感覚が取れているのか取れていないのかは患者さんに聞くのはではなく、患者さんの運動、動作から読み取る必要があります。

《前回の左荷重練習の復習》

座った状態で足を揃えると左足が長く前へ出ています。
まだ右側の骨盤が後に引けています。
左手を右手で持って左へ身体を回旋させます。
立ち上がり、胸を張って右手を上げることを10回実施します。
スクワットのように膝を前にして曲げて、伸ばしてします。
膝を曲げてお尻を出して、引くをします。
左に荷重しながら、座ろうとしてギリギリで止まり、また立ちます。
鏡でフィードバックしながら右寄りの荷重を変更します。

座った状態で左足を伸ばす練習をします。
立位で真っ直ぐに立てることがまずはスタートです。
右足を軽くあげることを20回実施し、支えがなくともバランスが十分取れていることを確認しました。

《装具を取ることについて》

装具なし、杖なしでフリーで歩く練習をしながら装具を取っていきましょうと話をします。

セラピスト:「家の中で装具を取りましょう。」
患者さん:「トイレの時はつけとかないと。こけるのが怖いからね」
セラピスト:「段差でつまづくとしたら、3センチ以上でつまづく人は少ないです。」
患者さん:「ぎこちないわ」
セラピスト:「慣れてないから怖さがきますよね。そこは徐々に取っていかないと良くなっていかないので難しいところですよね。
一生装具をつけて歩くのかの決断です。
どっかで取らないといけません。
効果のある早い段階で取っておいた方が楽です。
取らないと3代目、4代目と一生装具を使い続けるか。ここで怖さと戦っておさらばするか。セラピストが一生来るわけではないので、今こうやって人が来てリハビリしてる間に怖いけどとるか。
嫌やと言われるのを100%承知で言っていますが、取って2週間しんどいけど歩いているともう装具なんでつけてたんだろうってなります。俗にいう習慣です。
今装具をつけているけど、装具の役割を何も果たしていません。
座ってる時外してますよね、
今立ち上がりの練習でも外してますよね、
今歩いてますけど外して歩けるじゃないですか。
何の役割も果たしてません。」
患者さん:「踝のとこだけやな」
セラピスト:「踝のところの役割も装具は果たしてません。
今はただつけてるだけでファッションになっています。
ゲートソリューションつけた時に歩きやすかったって言ってたじゃないですか、その時点で装具邪魔ってことなんですよ。それは装具外した方がいいのにってことなんです。この装具が必要な人はゲートソリューションつけたら、怖い、前に行ってしまうってなります。
今話している間ずーっと普通に歩いてますよ。」
患者さん:「なんか知らんけど魔法にかけられた感じ」
セラピスト:「歩く速度とおっしゃいますが、トイレまで行くのに2秒も変わらないくらいですよ。測りますか!?変わっても15秒くらいです。装具つける時間考えたら一緒ですよね」

《リーチにおける基底核と小脳の運動プログラムの評価》

左手あまり使えてない状態ですね。
使ってないから腫れぼったく、皮が剥けてきます。
グーパーの練習をします。
親指を曲げて伸ばすの練習をします。

グーパーのプログラムの違いがわかるかどうか!?
随意運動でいえば動いていますが、グーとパーの動き方で本人の意識が違うのがわかるかどうか!?

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